活動16年で培った、音楽に壁を作らない感性
アイドル像って本当に語りきれないほどたくさんあって、私が子どもの頃に抱いていた「かわいくてキラキラ」というイメージからどんどんはみ出していると思うんです。今回は、そんなアイドルという枠にとらわれない自由な曲を選びました。
プレイリストを考えてみて気づいたのは、自分の好きな曲に明確なジャンルがないこと。えびちゅうとして活動する中で、レゲエから演歌まで、アイドルソングという枠組みを超えて幅広いジャンルの曲に挑戦させてもらいました。そのおかげで、「音楽に対して壁を作らない感性」が育ったんだと思います。

ももいろクローバーZ 「ももいろパンチ」
まず1曲目に選んだのが、ももいろクローバーZの「ももいろパンチ」。私たち私立恵比寿中学にとって、ももクロちゃんは尊敬する大切な先輩です。
「ももいろパンチ」は、事務所に入ってすぐのタイミングで披露されていた曲。ステージを袖から見ていたこともあって、思い出に残っています。私にとってまさにアイドルへの入り口のような曲です。
SUPER☆GiRLS 「女子力←パラダイス」
実は、私が初めて“推し”という存在を見つけたのが〈SUPER☆GiRLS〉のリーダー、八坂沙織さんでした。「女子力←パラダイス」をきっかけにさおりんを知って、「キラキラしたアイドルも素敵だな」と感じたんです。
ももクロちゃんのように、型破りで個性が強いアイドルも大好きだけど、真ん中で王道を貫いているアイドルもやっぱり魅力的だと気づかせてくれた曲。私にとって、大切なアイドルの原点のひとつになっています。
モーニング娘。 「Help me!!」
“黄金期”と呼ばれる時代から、ずっと国民的存在として知られている〈モーニング娘。〉さん。そんな歴史あるグループが体制を変えていく中で、再び注目を集めたのがこの「Help me!!」だったと思います。長い歴史を持つチームが、同じ名前のまま、時代や空気に合わせて形を変えながら再び輝きを放つ。その組織としての強さに、当時はすごく衝撃を受けました。
えびちゅうも気づけば結成16年。〈モーニング娘。〉さんのように、変化を恐れず新しい魅力を見せていけるグループでいたい。いつ聴いてもそう思わせてくれる曲です。
Juice=Juice 「私が言う前に抱きしめなきゃね」
ハロー!プロジェクトさんにどんどん惹かれ始めていた頃に出会ったのが、〈Juice=Juice〉さんのデビュー曲「私が言う前に抱きしめなきゃね」です。当時のメンバーは私と同世代の子が多かったんですが、とても大人っぽくて少し背伸びしたような雰囲気がすごく素敵で。等身大の彼女たちが、少し先の自分を表現しようとしている姿に魅力を感じました。
今の新体制の〈Juice=Juice〉がこの曲を歌っている映像を見ると、また全然違う表現になっていて、それもまた面白いんですよね。オリジナルメンバーが成長した姿と、新しく加入した子たちが歌う姿を見比べられるのは、長く続いてきたグループならではの魅力だなと思います。
BiSH 「Nothing.」
BiSHさんとは、ライブや対バンでご一緒させていただくことが多くて、常に意識していたグループでした。世間の中にあったアイドルの応援しづらいイメージを一気に壊して、新しいアイドル像を提示した存在だと思っています。
その中でも「Nothing.」は特に大好きな曲。初めて聴いたとき、サビのメロディーラインに一瞬で心を掴まれて、思わず涙が出そうになる感覚がありました。普段は歌詞に注目して聴くことが多いんですが、この曲はメロディーが先に胸に飛び込んできたんです。それがとても印象深くて、“音で感情を動かされた”という経験をさせてくれた思い出深い曲です。
超ときめき♡宣伝部 「すきっ!」
スターダストにはたくさんのアイドルグループがいますが、えびちゅうはデビューが早かったので、後輩たちがデビューしていく姿をずっと見てきました。
特にとき宣は、なかなか世間に気づいてもらえない時期も、フレッシュさと情熱をずっと持ち続けながら諦めずに踏ん張っていたグループ。そんな中「すきっ!」がTikTokを中心に話題になって、日本だけでなく世界中に広まっていったときは、先輩として本当に誇らしかったです。もともと私もこの曲が大好きで、もっと評価されるべきだと思っていたので「やっぱりね!」と嬉しくなりましたね(笑)。
曲自体も純度の高い“王道アイドルソング”で、後輩がこの曲で輝いていく姿を見られたことは、自分の活動にとっても励みになりました。
郷ひろみ 「言えないよ」
郷ひろみさんは、アイドルとして長く第一線で活躍されていて、今も現役でステージに立ち続けている尊敬する存在の1人です。
デビューして数年が経ち、私が当時高校生だった頃、音楽番組でご一緒させていただいたんです。そのときリハーサルでも本番でも常に全力で臨んでいる郷さんの姿を拝見して「どんなときでも驕らないこと」「どんなときも全力でいること」という、アイドルとして大切な姿勢を教えていただいたような気がしました。
「言えないよ」は、代表曲とはまた違った魅力が詰まったバラードで、“歌手・郷ひろみ”の素晴らしさを改めて感じた曲。長く愛され続けるアイドル像として、私の中で大きな指針になりました。
私立恵比寿中学 「仮契約のシンデレラ」
最後の8曲目は、私たちの楽曲「仮契約のシンデレラ」を選びました。えびちゅうはこれまでメンバーの変遷も多く、音楽性もその時々で変わり続けてきました。それぞれの時代にも良さがあって、どの瞬間にも大切な思い出があります。
そんな中、デビュー曲がTikTokを中心に再び注目されたのは、ちょうど転換期で悩んでいた頃。デビューから15年以上経って再び脚光を浴びるなんて、なかなか起こることではないと思うんです。先輩・ももクロちゃんから受け継いだ“スタダらしさ”のある少しトンチキなこの曲は、今も変わらず「これが私たち」と胸を張れる名刺代わりのような、大切にしたい一曲です。
〈私立恵比寿中学〉安本彩花のプレイリスト
※配信状況の都合により、一部の楽曲はプレイリストに含まれていません。