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ギャラリー〈TRINE GALLERY〉が推薦!今買うならば、このアート。長嶋五郎の《Fruitfully Head 1》

都内のアートギャラリーとショップに聞いてみました。「今買うならば、どんなアートがいいですか?」絵画、立体、写真。どれも部屋に飾れる小さなアート。ブレイク前夜の、未来のスターアーティストもこの中に!

text: Neo Iida

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ライトなモチーフを描いた厚塗りの画面に映るもの

長嶋五郎の《Fruitfully Head 1》

長嶋五郎は雑誌や広告にイラストを提供する傍ら、水彩やアクリル、色鉛筆など画材を替えて描き続けてきました。その四半世紀ほどのキャリアの末に辿り着いたのは、抽象化された幻想の山や、愛する音楽家など会ったことのない人物の油彩画です。

ポップで軽快なモチーフに対比して、厚く塗り重ねられた絵具の層からは、作家が画面と向き合った時間の豊かさが伝わってきます。一方で、どこかほの暗さを感じる画面には、作家のルーツである幼少期の美術体験や反戦教育の影響が色濃く表れ、彼の内面の映し鏡になっているのも面白いです。

(TRINE GALLERY/大池明日香)

アーティスト・長嶋五郎の作品
¥130,000
2024年/キャンバスに油絵具、アクリル絵具、メディウム/53×45.5cm

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