淡さの中にビビッドな色がにじむ、一つだけの風景画
小川洋平の《untitled, 2023》
小川洋平さんとは共通の知り合いが多く、2020年に初めて個展を開きました。僕たちは作品にフレームを付け、一点ずつ仕上げています。彼の絵からは人柄がにじみ出ていて、眺めていると優しい気持ちになれる。淡い色使いに、ブルーやグリーンの差し色が映えます。広大な山々を望む荒野に、ヤシの木とプール、クラシックカーが並ぶ風景は、メキシコの砂漠地帯のような異国情緒を感じさせます。
彼が育った新潟の風景も反映されているようですが、どの作品も無題で、実在する景色ではありません。部屋に飾る人の感じる景色になればいいなと思います。
(NOTEWORKS/児玉裕史)

2023年/マット紙にUVアクリル/34×27.5cm *オーク材の額込み

photo:Hiroshi Nakamura