独特の肌理(きめ)と発色の美しい版画
宮田雪乃の《見送りは繰り返す》
一見すると軽やかなドローイングのように見えますが、実は途方もない手間と時間がかかっている、ドライポイント版画という技法で作られた作品。鋭利な針のような道具を用い、一本ずつ彫った細かい線のそれぞれが微妙な風合いを織り成しており、実物を前にすると、見るたびに新たな発見があります。大量生産のポスターや印刷物では出すことのできない奥行きを楽しんでいただけると思います。
深みのある作品ですが、モチーフは花や植物、動物といった日常的に親しみを持ちやすいものが多く、見た目は非常に軽やかです。(LEESAYA/李沙耶)