組み替えられた言葉と絵の間を行き来する面白さ
松下和暉の《When I said that, when I shit DATA》
下の作品以外にも《Trans-Parent(STAP ran rent)》や《worth is no red, in other words》など、謎めいたフレーズやアナグラムが用いられたタイトル──時にそこから制作を始めることもある松下和暉の絵画では、紙やキャンバスなどの支持体が詩的表現の延長として活用されています。
描かれたモチーフは言葉そのもののようでもあり、画面の余白は詩節のエッセンスをも呼び起こすよう。じっくり眺めていると、言葉と絵画を親密に行き来する中に「読む・見る」ことの意味を反転させるユーモアが忍び込んでいるのを発見できて、面白いです。
(KAYOKOYUKI/結城加代子)