東京の街中で写されたカンナの花に思いを馳せて
戸田沙也加の《Tokyo Canna Project #1》
美しさと醜さという表裏一体にある世界観を描き出す稀代のペインターとして注目を集めてきた戸田沙也加ですが、2021年に当ギャラリーで初めて写真作品を発表。カンナの花をモチーフに起用していましたが、実はその花が、原爆投下直後の広島の地に咲き誇り「平和と希望」の象徴とされてきた植物であることをのちに知ることに。
《Tokyo Canna Project》は、人々が往来する東京の風景の中に、カンナの花をそっとパフォーマンス的に配置して写された写真群。少し違和感のあるその姿に複雑な思いが交差します。
(KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY/河西香奈)