人類がみんないなくなったあと、その記憶は亡霊(ゴースト)になる?
若手作家、山内祥太の《Being… Us?》は、「未来におけるゴーストとは何か」という問いに応答した作品。砂漠のように盛られた砂の上にはモノリスのように立ち上がるLEDパネルがある。そこには、AIが生成した架空の人類の記憶が映し出されている。
天井に設置されたライトの点滅では、3つの人格を持ったAIが会話をする様子を表現している。人間の言語を超えた「光の会話」を行うAI。その未知なるコミュニケーションは、我々の好奇心を刺激すると同時に恐怖も感じさせる。

インスタレーション《Obscura(Maebashi version)》は、吊された白い球体に、プロジェクターで目玉の映像を投影したトニー・アウスラーの作品。アウスラーは70年代から活動するビデオアートの先駆者だ。
展示室に浮かぶ9つの目玉は惑星のようでもあり、大きな怪異のようでもある。映像という形で実際にはそこに存在しないものを見せることができるプロジェクションの技術を使って、不思議でユーモラスな空間を作り上げている。

「見えないもの」をさまざまな表現方法で提示する本展覧会。過去と未来、そして現在をつなぐのは、曖昧で見えないものであると気がついたとき、あなたには何が見えるだろうか。