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コレクター・宮津大輔に聞く、アート収集のはじめ方。アートは、より豊かな視点で世界を知る“窓”になる

休日の過ごし方は、働き方と同じくらい重要。かつて習っていたもの、興味はあってもなかなか手が出なかったものも。心身を癒し、毎日の活力をくれる”パートナー”のような趣味を。

Photo: Kazuki Igarashi / Text: Yoko Hasada / Edit: Emi Fukushima

同時代を生きる
アジアの若手作家に注目。

「なぜ収集するか、ですか?アートは、より豊かな視点で世界を知る“窓”になるからです」
現代アートの世界的なコレクター、宮津大輔さんはそう語る。

「これからはじめるなら、今後の国際的活躍が楽しみな若手現代アーティストの作品を買ってはどうでしょう。注目は日本を含めたアジアの作家。
最初は飾りやすい平面作品がいいと思いますが、比較的廉価な映像作品もおすすめです。例えば台湾のロー・イーチュン。ファニーだけどアイロニカルなアニメーションは、僕も気に入ってます」

アジアの若手に注目する理由は2つ。欧米の作家に比べて買いやすい価格と、世相を見る“窓”としての面白さだ。

「そもそも現代アートとは何か。僕は同時代性を帯びた作品が真の現代アートだと思う。そこには、背景にある国の文化や政治の“今”が、スマホのニュースとは違う形で表れます。
日本と似た点/異なる点が混在するアジア諸国、そして日本の今を、翻訳不要のビジュアルで感じられるのは現代アートならでは」

アートコレクター・宮津大輔
《無限の網》草間彌生 1965年 ©YAYOI KUSAMA

ではそんな“窓”を、初心者はどこで選べばいい?

「初めての人にこそ、世界最高峰の作品が集まる国際アートフェアを強く薦めます。今はライブ配信やウォークスルー形式での閲覧などウェブも充実していて、作品もオンライン購入できる。コロナ禍の間にネットで予習しておけば、いざ現地に行った時の助けにもなりますよね」

例えば台湾の〈台北當代〉や〈アートバーゼル香港〉には、世界中から厳選された、今後評価が高まるであろうお墨付きが既に揃っている。その中で好きな作品を選べば間違いはないし、若手の作品なら20万円ぐらいから買えるはずだ。

「僕は30代の頃、勤務先に内緒で土日と夜勤のバイトを5年間続け、長年憧れていた草間彌生さんの作品を手に入れました。惚れ抜いて一緒に暮らした作品が、人生やものの見方をどれだけ豊かにしたことか。若いうちだからこそ、おすすめです」

注目しておきたい
若手アーティストたち。

アジアの若い才能を
知る・観る・買うなら。