アートを家に飾ったら森林浴をしているみたいに気分が良くなった
もともと収集癖があり、洋服などを収集していた黒木健一さんがアートに目覚めたのは2011年。東日本大震災で誰もが悲しみに暮れていた時に、偶然香川県直島を訪れた黒木さんは、草間彌生の大きな作品《南瓜》が佇む姿を前に、心がすっと安らぐのを感じた。
「草間彌生は知っていましたが、手に入れたいと思ったのはこの時が初めて。縁あってオークションで購入できたのですが、作品を家に飾ったら森林浴をしているみたいに気分が良くなった。そして収集癖に火がついてしまったんです」と黒木さん。
収集癖を自覚していたので、作品購入には厳密なルールを設ける。例えば「忘れてはならない歴史」「苦悩や性癖をさらけ出す」等のキーワードを含む作品かどうか。10×15cmのポストカードサイズの作品は積極的に購入する等。条件をメモに書き出すが、作品の数は増えるばかりだ。最近では自宅近くで『高井戸芸術祭』を定期的に開催し、コレクションを公開する活動を続けている。
草間彌生の《おもいで》
