いい作品は必ず評価される。でもそれがいつかはわからない
30年以上にわたり作品収集を続け、ギャラリーやアーティストとともに時代を並走する白木聡さん、鎌田道世さん。2人で初めて購入したのは絵画作品だ。
「1993年に行った佐谷画廊の展覧会で、2代目の佐谷周吾さん(現・シュウゴアーツ)が手がける新世代の展覧会で興味を持ちました」と白木さん。「最初は現代アートって理解ができなかったのですが、だんだんと色、形、感情等、こう見ればいいのかなとわかってきて。この絵はリンゴと色の関係が気に入った」と鎌田さんは振り返る。
その後コレクションは膨れ上がり、数百点にも及ぶが、すべての作品購入は合議制で決めてきたという。2人で世界中のギャラリーやアートフェアに足繁く通い、その作品のどこがいいか、購入したいか等をよく話し合い、時には数年かけて結論を出す。
白木さんは言う、「いい作品は必ず評価される。でもそれがいつかはわからない。それが、アートの難しくて面白いところだと思います」。
小林正人の《写生》
