作品を介して普段会わないような人と交流できるのが読書との違い
20代の若手起業家の福田涼介さん。2024年4月に移転した新しいオフィスの約半分という広いスペースを、アート作品の展示やイベントのために確保する。初めてアートを買ったのは2019年頃だ。最初は、価格的にも手頃なエディション付きの版画作品を購入していた。この作品を見つけたのも、よく見ていた版画工房のウェブサイトだ。
「なんかいい絵だなと思ったのが第一印象。憂いのある表情も意味深げで気になりました。当時の価格は5万円くらいで、これなら自分でも購入できると思った」と福田さん。
作品の評価軸は3つ。「生きていて会える作家の作品」「独自性のあるビジュアル、かつアートを知らない人が見ても楽しめるもの」「新たなものの見方に気づかされるもの」だ。また、金額も上限を設けている。
「考えを広げるだけなら読書でも何でもいいと思いますが、アートを収集していると普段の仕事では会わないような人とも交流ができる。その広がりが面白いなと思います」
クレア・タブレの《Self-Portrait with a Hood (Pink)》
