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カルティエとアートの足跡を俯瞰する展覧会が開催中!【ART CONVERSATION BY CARTIER】

フランスを代表するジュエリーメゾンのカルティエが、アートをテーマに本誌連載を開始。初回は開催中の大展覧会を解説します。

illustration: Kazuma Mikami / text: Ichico Enomoto

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芸術性の高い宝飾品を発表し続けてきたカルティエ。そして、世界中の現代アーティストたちに作品制作を委託し、広く文化芸術に寄与してきたカルティエ現代美術財団。日本では1974年に最初のブティックを東京・原宿にオープン。

その50周年を記念し、メゾンと日本を結ぶさまざまなストーリーをコレクションとともに紹介する展覧会『カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展─美と芸術をめぐる対話』が東京国立博物館の表慶館でスタートした。

シンメトリーの構造を持つ表慶館の右翼部分では「カルティエと日本」をテーマに、創業家3代目、ルイ・カルティエの時代から現代まで、日本文化がカルティエの作品にいかに影響を与えてきたか、コレクションとともに紹介。

左翼部分では、「カルティエ現代美術財団と日本のアーティスト」をテーマに、国内外16人のアーティストの作品を展示しながら、財団の足跡を辿る。メゾンと財団の2つの歴史が一堂に会するまたとない機会だ。

RIGHT SIDE

カルティエと日本

ルイ・カルティエが収集した日本の品々や、それらがメゾンのデザイナーたちにいかに影響を与え、作品に昇華されてきたかを紹介。また1988年以来、カルティエが日本で開催してきた5つの展覧会を振り返りながら、この50年、ジュエリーメゾンのカルティエと深く関わってきたアーティストたちの作品も展示。sacaiのデザイナー阿部千登勢や、田原桂一、日比野克彦らの作品を通して、カルティエと日本の関わりを紹介する。

LEFT SIDE

カルティエ現代美術財団と日本のアーティスト

1984年に設立されたカルティエ現代美術財団は、パリのジャン・ヌーヴェル設計の美術館で展示を行うほか、さまざまなアートプログラムを世界で展開。例えば2022年に国立新美術館で開催された『ダミアン・ハースト 桜』展も同財団の主催によるものだ。今回は横尾忠則による作家のポートレートに始まり、三宅一生、荒木経惟、森山大道、川内倫子、杉本博司、束芋、宮島達男、松井えり菜、村上隆、北野武といった名だたる作家たちの作品が並ぶ。

FRONT SIDE

澁谷翔の新作展示

左右対称の表慶館の2つの展示を結ぶように、建物の正面側では澁谷翔の新作《日本五十空景》が展示される。自身が暮らすニューヨークで、毎日『ニューヨーク・タイムズ』の1面に日の出の空をペイントしたシリーズで注目された澁谷。今回は歌川広重の《東海道五十三次》にオマージュを捧げ、各都道府県を旅しながら地方新聞の1面に空を描く50点の連作を発表。日本の50空景は、カルティエと日本の50年を象徴する展示となる。

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