一口目はほんのり甘味。食欲を開放して挑む、U1万円コース。人形町〈中国菜 ARATA〉

コースは楽しい。紫禁城じゃなくても皇帝気分。苦しゅうないぞ。どの店も工夫を凝らし、一品ごとに期待は高まる一方。食べ終えると、ライブを観たのと同じような興奮が体に刻まれる。それが1万円以下なんて、最高です。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Michiko Watanabe

都心にもかかわらず、一軒家の風情。厨房を囲むようにゆるやかなアールを描くカウンターは低めで幅広く、落ち着いた雰囲気を醸す。

コースの最初に出てくるのは、何とデザートのようなアミューズ。この日は、白玉の黒ごまあん。酒醸(チューニャン)を用いた、簡単に言うと中国の甘酒ソースがかかっている。優しい甘味で、「まずは胃を開かせるんです」。なるほど。コースは次第に盛り上がって、メインは鶏の唐揚げを何種類もの唐辛子とスパイスで炒めた、四川料理らしい辣子鶏(ラーズーチー)。

店主の中園健司シェフは、千駄木の〈天外天〉や六本木の〈老四川 瓢香小院〉で腕を磨き、日本中国料理コンクール前菜部門で、厚生労働大臣賞を受賞した腕自慢。キャリアに裏打ちされた確かな味わいに、シェフならではの新味を加えた軽やかなコースを。〆の麺飯はチャーハン1,100円、ちゃんぽん1,800円ほか。

COURSE MENU 8,800円

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