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お悩みをアニメ映画で解決!観る常備薬 〜人生編〜

人間、生きているといろんな悩みに直面する。そんな時は、アニメ映画を観てみよう。古典的名作から最新作まで、さまざまな示唆に満ちている。先生の“処方箋”には意外な解釈もあり、心を解きほぐしてくれるはず。

text: Akiko Yoshikawa

先生:川井久恵(『アニメージュ』編集長)、土居伸彰(アニメ評論家)

家族との距離感がわかりません

相手を気遣う言葉を大切に。

(川井)

『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』

病気の陽毬(ひまり)と双子の冠葉(かんば)と晶馬(しょうま)は、血がつながっていなくても、確固たる結びつきがあって仲がいい。家族は血縁よりも、思いやる気持ちの方が大事なはず。

本作を観ると、相手を気遣う言葉の積み重ねで家族が成り立っていくのだということが感じられます。私は一人っ子なので、彼らの関係が羨ましいです。

映画『劇場版 RE cycle of the PENGUINDRUM 』
©2021 イクニチャウダー/ピングローブユニオン

わかろうとしなくてもいい。

(土居)

『わからないブタ』

アニメーション作家・和田淳さんの作品。YouTubeで視聴可能です。謎めいた家族とブタを俯瞰で描いていて、人間も動物もさほど変わらず、ある程度本能で動いているように思えます。

嫌だと感じる家族の言動も、その人の本能だと考えてちょっと距離を置けばいい、と学べる。わからないものはわかろうとしなくてもいい、ということも実感できます。

映画『わからないブタ』
©2010 Atsushi Wada / Tokyo University of the Arts

人付き合いが苦手です

以心伝心は幻想、言葉にしよう。

(川井)

『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙(そら)編』

アムロは今風に言えば、陰キャでコミュ障でこじらせまくった少年。自分をわかってほしいという承認欲求の塊でもあります。

ニュータイプとして目覚めることで、言葉を介さずに相手と意識を共鳴し合えるようになるわけですが、現実にはそんなことはないものだし、やはり言葉にして伝えないと相手はわからないよね、とも思うんです。

繊細だからこそ気づけるものもある。

(土居)

『映画 聲(こえ)の形』

本作は、繊細すぎるがゆえに深く傷ついたり、距離感がわからずに相手を傷つけたりと、人付き合いが苦手な人の実例のオンパレードです。

でも、苦手なのはしょうがないことで、見方を変えれば繊細だからこそ、人間関係の素晴らしさや、コミュニケーションの大切さ、身近にいて、自分を受け入れてくれる人のありがたみを感じ取ることができるはず。

映画『映画 聲の形』
©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

戦う女の子に、勇気をもらう。

(川井)

『映画 ふたりはプリキュア Max Heart』

「女の子だって暴れたい!」というのがプリキュアの原点。肉弾戦で戦う女の子たちの大活躍がジェンダーのモヤモヤを吹き飛ばす。

同シリーズではワンオペ育児や職業の多様性を盛り込んだり、「男の子だってお姫様になれる!」というセリフが飛び出したりと、さまざまなテーマを描いているのも特徴。年齢や性別を超えて、勇気づけられます。

映画『映画 ふたりはプリキュア Max Heart』ポスター
©2005 映画ふたりはプリキュアM製作委員会

「○○らしさ」の外側へ出よう。

(土居)

『イノセンス』

アニメーションはキャラ付けが必要なため、男・女らしさがこびりつきやすい。これらは些細な動きや言葉遣いにすぎず、人間や人形とは何かを問う本作を見ると、それが作られたものでしかないことに気づけます。

もしくはバトーのように犬を飼い、男らしさ・女らしさを求められない関係性に逃げるのもあり。彼も男らしさを求められて苦しかったのかも。

映画『イノセンス』
©2004 士郎正宗/講談社・IG, ITNDDTD.