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宮崎〈ワンダレン〉広い店内にポツンと陳列。既製服も芸術品のように提案する

地方のセレクトショップがますます面白い。ブルータスが主観で絞り込んだ、とっておきのお店をご紹介します!

Photo: Keisuke Fukamizu / Edit: Toromatsu

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広い店内にポツンと陳列。
既製服も芸術品のように提案する。

都城という、宮崎でもあえて出向くことが少ないであろう町のシャッター通りに、とびきりエッジーな商いをする店を見つけた。
帆布作家と製作した羽織り物から世界の民芸品までが余白を持って並ぶ、アートギャラリーのように研ぎ澄まされたセレクトショップ〈ワンダレン〉だ。

タコマフジレコーズや京都のライフ&ガーデンショップ〈ライフタイム〉が手がけるオールインワンなどのエッジーなセレクトは無論必見。ここの最大の特長は、個人店にしてはあまりに広い44坪の店舗面積に、洋服が4着しか並ばない日もあるという一風変わった販売方法である。

「ものがいつも充実していなければ、とは考えていないんです。“この感じならお客さんが好きかも”という理由で無難な仕入れをしたりせず、顧客の想像を超えたセレクトを常に心がけています。

最近は、SNSやインターネットを駆使して、知識や情報に富んだお客さんが増えました。だからこそ、“これはなんですか?”と聞かれた時、100%の熱量で話ができる“自分がスポットライトを当てられるもの”だけを、しっかりと見せればいい」とオーナーの關良太郎さんは話す。

宮崎〈ワンダレン〉店内
世界の民芸や、スコップなどの道具類も扱う。

この町に店を構えたのも、家賃を払うために売れ線の商品構成を作ったり、ウィンドウショッピングのお客さんが多い街中のセレクトショップのようにしたくないという、店作りに対する熱い信念ゆえ。

20年シャッターが下りていた物件を見つけ、家主のもとを再三再四訪問。「たとえ売り上げが立たず店が回っていなくとも、この額なら何年でも続けていけます」と値段交渉したというからすごい。

流行や季節に左右されるものもなく、無理な仕入れをせず、無理をしなければいけない環境も作らない。ちまたの店と逆を行く新しい店の在り方を、広い空間にある潔いラインナップから学びとれる。

宮崎〈ワンダレン〉店内
定期的に個展も行う。取材日には宮崎の帆布ブランド・グラムと手がけたという〈ワンダレン〉の共作アイテムが見られた。

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