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山梨〈サンデイ〉店と人、そして自然がコネクトする情報の発信基地

地方のセレクトショップがますます面白い。ブルータスが主観で絞り込んだ、とっておきのお店をご紹介します!

Photo: Yasuyuki Takaki / Text: Yu-ka Matsumoto

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店と人、そして自然がコネクトする
情報の発信基地。

週末になると全国からお客さんが押し寄せるという、一軒家スタイルのショップが甲府に存在する。その7割が首都圏からのウィークエンダーというから驚きだ。

薪ストーブの煙突が飛び出したロッジのような店構えが特徴的な〈サンデイ〉は、もともとオーナーの石川幸之助さんが通っていたレストランの跡地を自分たちで改装を重ね完成させたもの。
南アルプスの玄関口としても知られる甲府の地の利を生かし、アウトドアに特化したショップを立ち上げたのが2009年。

以来、クチコミで広がり続け、登山やアウトドアアクティビティの延長でこの店を訪れる人が後を絶たない。「売り上げのほとんどは実店舗での対面販売なんです。ECの売り上げは2割程度。服の機能性や着心地は直接じゃないと伝わりませんから」と、オーナーの石川さん。

EC全盛期にして、真逆を行く販売スタンスは、やはりアウトドアウェアだからこその強みなのかもしれない。
とはいえラインナップは、左利きから着想を得たアパレルを展開するレフトや、ファッションとアウトドアを融合したハイブリッドブランドのアンドワンダーなど、どれも単なるフィールドウェアという枠には収まらないファッション感度の高いものばかり。

また“行商”という古くからの対面式の販売スタイルを大切にしている受注専門の旅道具のブランドのトラヤイクイップメントなどマニアックなガレージブランドも展開あり。
アクティブと日常の垣根を越えたセレクションは、いわゆる専門店のそれとは一線を画する魅力がある。

「ただものを売るだけのショップにはしたくないんですよね。この店に来て人と繋がり、色々と情報交換をする。ここをハブにして自然との遊びに繋がる、そんな場所を目指しています」。

その言葉通り、地域に根ざしたアウトドアイベントなども頻繁に開催。新たなコミュニティの発信基地としても目が離せない。

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