ライフスタイルショップでも、ギャラリーでもない、
独自の店作り。
2023年秋に向けて駅前再開発が進む徳山駅前地区で長年ファッションに関わってきた、オーナーの網永達朗さん。
「都市開発を機に、周南市をどこよりもファッション感度の高い町に変えたい」という思いを胸に、〈ラット ホール〉を昨年オープンさせた。
並ぶアイテムは、洋服だけではなく、家具、器、絵画まで、生活を彩るものすべて。
中には、故・黒田泰蔵作の100万円を超える陶器や、ピエール・ジャンヌレの椅子など、専門店でも入手困難なものが店内に分け隔てなく陳列されている。
そのさりげないディスプレイも、網永さんのこだわり。
「市場的な価値以上に、使い手自身が惚れ込んだものを大事に愛でてほしいという思いがあります。だから、先入観を持たず、物事をフラットな視点で見極められる店作りを重視しています」
そんな視点で並べられた服は、どれもトレンドに左右されない普遍的なデザインのものばかり。
「ナイスネスやクリスタセヤは、この先きっと名品となっていくブランドです。歴史の名作といわれる家具やアートと並べても、決して見劣りはしない。こういったことを手に取って肌で感じてもらえるのが、実店舗の魅力です。きっとギャラリーでも、この感覚は育めません。足を運んでいただくことで、センスが磨かれるようなウチのスタイルをこれからも突き詰めたい」