地元に根づくための協業で
ファッションの楽しさを伝えたい。
お伊勢参りの出発点、伊勢市駅。外宮に通じる参道の茶屋や土産店、工芸店が並ぶ中、ポップな雑貨で埋め尽くされたウィンドウが目を引く〈ノックアウト〉。
「1995年に創業し、アメリカで買い付けた古着やインポートブランドなどを扱う店からスタート。旅行客にも気軽に立ち寄ってもらえるよう雑貨を充実させたんです」と店長の冨谷剛寛さん。
一歩足を踏み入れると、アメカジベースで古着とも相性のいいこだわりのブランドがずらりと並ぶ。
冨谷さんが一番に考えているのは実店舗の在り方。「ネットで欲しいものが見つかる時代だからこそ、ここにしかない、できないことを具現化して、人と人とを繋ぐパイプ役のような店にできたら」。力を入れているのが「協業」だ。
ゴーゲッターとコラボしたリメイクシリーズは新アイテムを月1でリリース。ユニークなのは地元異業種との協業。伊勢市三大ソウルフードで知られる洋食屋〈キッチンクック〉、松阪市のラーメン店〈花紋〉などのスーベニアTは「お互いの店のファンが行き来できるのがいいんですよね」。
JA伊勢とは地元野菜をプリントした「LOCAL FIRST」シリーズ、特産の真珠を使ったオリジナルジュエリーなどローカル色を前面に打ち出した商品を次々と発表。
「地元の人に喜んでもらえて、僕らの店も知ってもらえる。そうやって僕らなりのコミュニティをどんどん広げていきたい」