歴史ある繊維問屋街に、
現代のリアルクローズが集まる店。
岐阜県が誇る地場産業の一つがアパレルだ。高度成長期真っただ中の1969年に、市内2番目の問屋街として誕生したのが〈岐阜繊維卸センター〉である。
岐阜駅から徒歩25分、今も当時の面影を偲ばせる築50年以上のビルが連なるエリア。趣ある一角にポツンと佇むのが〈エウレカ ファクトリー ハイツ〉だ。
店主の小林徹さんいわく「駅前や、既にほかの店があるエリアで開けたくなかった。それよりも物件自体のパワーを感じられる場所で勝負したくて」。店の裏には6台分の駐車場もあるため、週末には三重や滋賀など県外からのお客さんも多く訪れる。
「岐阜市は町のサイズ感のわりに、暮らしを豊かにするお店が点在しているんです。骨董屋、パン屋、コーヒー屋と、ぐるりと車で町を回って楽しめる。その中の一つにうちの店が入ればいいなと思っています」。
町の特徴と店の所在地は、服をセレクトする目線にも反映される。
「ローカルなエリアにあるので、風景の中で浮いてしまう奇を衒ったファッションは違うと思う。あくまで日常であることを重視して、時間の経過で損なわれることのない上質なアイテムを揃えたい。
たとえ服に興味がない人にも、好感を持ってもらえるセレクトを意識しています」。
元問屋ならではの広い店内にはメンズ&レディースの服やシューズが美しく展示され、ゆったりとした買い物が楽しめる。