モノから得るインスピレーション、
モノで培うセンス。
長崎空港近くの街道沿い。店内には世界の専業ブランドがひしめく。メンズはECも行わず、価格帯はシャツで3万円から、セールはしない。
それでも、仕入れたアイテムの8割は完売。どうしてそんな経営が可能なのか。代表の猪股健太郎さんは言う。
「感性に訴える提案をしたいと思っています。映画や本、ありとあらゆるモノからインスピレーションを起こし、スタイルを作る要素としてアイテムを揃えます」
なるほど、要素と言われるとラインナップにも合点がいく。イギリスのニット、イタリアのシャツ、フランスのパンツ。その地で生まれた必然性があり、磨かれてきた歴史があり、現在でも手仕事の輝きを失っていないものばかり。
へたに組み合わせればチグハグになりそうだが、インスピレーションが明確であれば、各アイテムを要素に洗練された大人のスタイルが完成する。
猪股さんは、元美容師。洋服だけに限らず、気になるモノは買って、試して、センスを磨いてきた。店内に並ぶアートや建築、哲学などの蔵書から、関心の幅広さが窺える。考え方や物事の進め方は、洋服屋というよりデザイナーに近い。
「配色や、繊維と繊維の重なり、思想から立ち上がる世界観を大事にしています」。
作りが良いことは前提で、その先にあるモノを楽しむ。「結局は、着る人の感性を感じるスタイルが一番カッコいい。うちに通うごとに、その人のセンスや感度が上がっていく。そんな手伝いができたら嬉しいです」