最寄りは無人駅でも訪れるべき、
地元愛とセンスが溢れる名店。
並んでいる服もオブジェもどれも個性的だが、そこには不思議な統一感が浮かび上がる店内。
「ECでどこにいても世界中の服が買える時代。自分が何を選択するかが大切だと気づいて、豊橋・三河エリアを探り続けてきました。有名無名問わず、ここにしかないスタイルを作ろうと思ったんです」と、店主の纐纈大さんは語る。
作者不明のオブジェが点在し、直径1mの古いカーブミラーが姿見代わり。価値の定まらない古道具と、そこに並ぶ服。それらすべては、アノニマスなもののカッコ良さに強く惹かれるという彼の審美眼によるものだ。
名古屋や岐阜の地場に特化した服作りを続けるホークやダルは、纐纈さんの20年来の朋友が手がける、店の主力ブランド。ここのラックに並ぶと、どの服もまた新たな魅力が見えてくる。
「数は少なくてもセレクトで勝負。“今季は何を仕掛けるの?”って期待してもらえると高揚しますね」。
人と人の輪が自然とつながり、2階ギャラリーで開催する写真や絵の展示、地元飲食のポップアップも半年先までラインナップ済み。一方でセールもECもやらず、シーズンの立ち上がりには数週間クローズして準備する。
「僕らが動ける範囲でやっていくだけ。好きなものと嫌いなものの精査が日々積み重なって、結果としてうちの店になるんです」