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養分たっぷりの伏流水で育った特大8年もの、象潟の岩牡蠣

秋田県〈道の駅 象潟〉土田水産の直売所には、養分たっぷりの鳥海山の伏流水で育った特大8年ものの岩牡蠣があるという。牡蠣好き必見、そこでしか食べられない、超地産地消フードをご紹介。

初出:BRUTUS No.668「日本再発見の旅と本。」(2009年8月1日発売)

photo: Tetsuya Ito / text: Brutus

象潟(きさかた)の岩牡蠣(いわがき)が知る人ぞ知るブランド牡蠣になったのは、実は鳥海山のブナ林のおかげなのである。理由はこうだ。鳥海山の雪解け水は何十年もの時を経て伏流水として日本海の海底から湧き出ている。

伏流水にはブナ林の腐葉土からの養分がたっぷり含まれ、それが海水と混じり汽水となったところの岩礁が絶好の岩牡蠣の生息地となるからなのだ。鳥海山の恵みで育った岩牡蠣は平たく大きい。

中でも象潟の海岸から200〜300m沖、10〜20mの深さのところに岩牡蠣にとって奇跡的に条件が揃った漁場があり、そこでは7〜8年ものの大きな岩牡蠣が、数は少ないが生息する。

「岩牡蠣は大きいほどクリーミーでまろやかな甘味もある。でも7〜8年ものは深いところに生息していて名人しか獲れないので、水揚げされる数は少なく、この店で食べてもらう分しかないんです」と土田水産社長の土田豊さん。特大8年ものは、わざわざ象潟まで行かないと食べられないのだ。