目的地よりもワクワクする乗り物で向かう旅の道中
目的地に向けて車や飛行機、自転車に乗っている時が冒険の最高潮。これから何が起こるのか。移り変わる景色を横目に、“わからなさ”に期待を募らせる時間が最もドキドキするんです。観るたびその気分を思い出すのが映画『ビッグ・ウェンズデー』。

カリフォルニアのサーファー仲間が人里離れた海を求めてメキシコへ向かうのですが、行きの車中がいい。セックスするカップルあり、テンションが上がって銃をぶっ放す青年あり、波を眺めてワクワクする者あり。それぞれ非日常に浸る瞬間が映されていて。到着すると散々な出来事が続き、最後には車上荒らしに遭ってBADな状態で帰ることに。やっぱり行きの車中が最高だなあと(笑)。
漫画『サイクル野郎』は少年が自転車で日本1周を目指す物語。初日から自転車が大破するなど、ザ・珍道中ですが、ああでもないこうでもないとつぶやきながら漕ぎ続けるさまに憧れます。

主人公は高校受験に失敗した、自転車店の息子・丸井輪太郎。一人前のサイクル野郎を目指し、自転車で日本1周の旅へ。愛車は「フェニックス号」。全37巻。著:荘司としお/ゴマブックス/各550円(Kindle版)。