世界一有名なスニーカー、アディダス「Stan Smith」の原点を知っているだろうか？実はこのシューズ、もともとはフランス人テニスプレーヤー、ロベール・ハイレのシグネチャーモデル「HAILLET」というテニスシューズだったのだ。
ハイレの活躍を記念して発売したモデルだったのだが、この靴を好んで履いたアメリカ人テニスプレーヤー、スタンレー・スミスの知名度がぐんぐん伸び、全米オープンを制した記念に、ハイレとスミス、2人の名前が配されたシューズが登場。そして70年代に入ってから、ついに「Stan Smith」とモデル名が正式に変更になったのである。
©The adidas archives, Waldeck
さらに「Stan Smith」には、「HAILLET」のほかに兄弟モデルと呼ばれるプロダクトが存在している。それがルコックスポルティフの「Arthur Ashe」だ。アフリカンアメリカンとして初めて4大大会の男子シングルスを制したことで知られるテニスプレーヤーのシグネチャーモデルで、スムースレザーのアッパーに通気孔を開けたデザインは、「Stan Smith」そっくり。
当時ルコックスポルティフは、「Stan Smith」を企画生産していたアディダス フランスによってオペレーションが行われていたから、似るのも仕方ない。しかし「Arthur Ashe」の方が10年以上後に開発されたプロダクトなので、靴内部の熱を効率よく外部に排出するシュータン部分のアエロトップを採用するなど、機能性でいえば、かなりの進化を遂げていたという。
