YouTubeという接客スタイルを確立した次世代ショップ
地図アプリで検索し、辿り着いたのは国道141号沿いにある雑居ビル。JR上田駅から徒歩5分の場所ながら、あたりは商店街もなければお店らしき姿も見当たらない。不安になりながらしばらく周辺をさまよっていると店主のリョウマツモトさんが出迎えてくれた。
「すみません。うち看板とかそういうのも出していないので」。そう言うと先ほどのビルの裏手に回り、階段へと続く古い扉を開けて導いてくれた。築40年のビルをリノベーションし、1階を事務所、2〜3階が店舗という3フロア構成で“営業”している。
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店内に入るとこれまたショップという印象は皆無で、そこはまるでショールーム。この無機質な真っ白い空間を手がけたのは、あのランドスケーププロダクツだ。とはいえ、看板も出さず競合店舗も存在しないこの上田の地で、いったいどうやって経営を?
その販売方法が実にユニークで今っぽい。マツモトさんはファッション系ユーチューバーとして活躍する人物で、自らバイイングしてきたすべてのアイテムをYouTubeで実況解説。それをECへの売り上げに繋げるという販売スタイルだ。
「もともとは長野市にあったのですが昨年5月に、生まれ育った上田に移転しました。このやり方であれば場所は関係ない。高い賃料を払って繁華街でやるよりもずっと効率的なんですよ」。撮影も解説も自身が担当し、すべてをこのショップ内で完結。カメラに向かって行う熱の入った接客は、これからも続いていく。
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