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千葉〈アイスリー〉SNSだけじゃない、ブログこそ店と顧客を繫ぐツール

地方のセレクトショップがますます面白い。ブルータスが主観で絞り込んだ、とっておきのお店をご紹介します!

Photo: Kazufumi Shimoyashiki / Text: Minori Okajima

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SNSだけじゃない
ブログこそ店と顧客を繫ぐツール

インスタグラム、ツイッター、YouTubeなどのSNSは、今やショップの販促ツールとして当たり前の時代。だが、千葉県柏市の〈アイスリー〉は、今なおブログへ熱い思いを書き連ねている。

「文章を書かず、写真ばかりSNSに載せるとイメージだけにとどまってしまうんですよね。スタッフの主観を記すことで、お店やブランドの魅力を深く知ってもらう機会になります。記事を見て来店してくれるのは嬉しいこと。ブログはつい長くなりがちだけど、SNS以上の内容をしっかり書くという差別化をしています」

そう語るのはオーナーの田中庸介さん。古着店のスタッフ、生地メーカー勤務を経て2010年に1号店をオープンしてから11年間、柏のファッションを見つめてきた。

2号店にあるショッピングカートは、お客さんの荷物を入れてゆっくり買い物をしてほしいという、オーナーのおもてなしの心が込められている。
千葉/iii3 店内
1号店は今年で11年目。毎日の掃除に2時間かけているだけあって、今でも白壁は美しいまま。
千葉/iii3 スタッフ
オーナーの田中庸介さん。

「柏は、企業や学校などが集まる、人の流れがある町。このあたりは古着店が集まっていて、20年前から“ウラカシ”と呼ばれています。町と密接に繋がりながら魅力を発信したいと思い、同世代の飲食店、美容院のオーナーと集まって〈ウラカシ百年会〉という商店会を始めて4年になります。2019年には柏市役所でクールビズの提案として、オリジナルのポロシャツを販売したり、食のフェスを開催したり。町をもっと魅力的にして、柏が盛り上がるといいですね」

地域活性化のために、今〈アイスリー〉ができることとは?
「地域には密着しているけど、ほかのショップではバイイングしない、“これが柏に?”みたいなアイテムを集めて、店の個性を強めるようにすることですかね」

千葉/iii3 ブログ画像
今年6月に投稿した記事のお題は、サルバムの2021年秋冬コレクションレポート。ルック解説や会場の空気、モデルの雰囲気など、スタッフのリアルな言葉で記されている。ウェブ担当の佐野新吾さんいわく、「ブランドの情熱に心動かされて書きたい衝動に駆られた時、一気に書き上げます(笑)」。

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