札幌に新しい風を吹き込み
行列を作るニューショップ
日本有数の観光地・札幌には、名の知れたショップが数多くある。そんなファッションタウンにおいて、今最も勢いのある店が〈ウェイク〉だ。
札幌の人気店〈アンプラグド〉で長年マネージャー兼バイヤーとしてシーンを盛り上げてきた小俣弦也さんが独立し、2019年に開店。瞬く間に話題となり、新作発売日には行列ができ、別注をかければ全国から問い合わせがやまないという。
ここまで注目を浴びる店が、全国にどれだけあるだろうか?
だが、その商いは実にオールドスタイルだった。
「ECもHPもなく、通販を受けていない商品も多くて……。ありがたいことにSNSを見た方から連絡をもらうんですが、店頭のお客さんを大切にしたくって」
セレクトの面でも、札幌にフレッシュな風を吹かせている。
「うちで扱っているのは、まだ札幌になかったブランドがほとんど。洋服好きの間でひそかに人気があるものや、知り合いのブランド、それらと一緒に作る別注が軸になっています。あと札幌の店であるという点も意識していて、例えば、市内の他店ではコートの取り扱いが多いのですが、うちはダウンに力を入れています。スウェーデンのアブガルシアやイギリスのモンテインなど、日本では珍しいブランドを積極的に買い付けています」
“あの店に行ってみたい”。そう思われる店を作りたい、と語る小俣さん。実際に全国からここを目当てに札幌に訪れる人もいるというから、さすがである。北の大地からシーンを賑わせる〈ウェイク〉の動向は見逃せない。