モトイギョーザ(四条河原町)
モダンフレンチの星付きシェフが娘さんに作った餃子の専門店。
大正時代の邸宅を改装した、京都ならではのグランメゾン〈MOTOÏ〉。シェフの前田元さんは中華の料理人として研鑽を積んだのち、フレンチの世界へ。中華の技法も取り入れたフランス料理で、開店2年目より連続でミシュランの1ツ星を獲得している。
その〈MOTOÏ〉でコロナ禍に販売されたのが、前田シェフが娘さんのために作ったというパパ餃子だ。豚肉にエビやパクチーを加えたニンニク不使用の餡を、もっちりした皮で包んだ優しい味の餃子。たちまち評判となり、2020年11月にはついに、変わり種のセカンドライン〈モトイギョーザ〉が誕生した次第。
つろく(御所南)
本店は店主の世界観にどっぷり。隣は肩肘張らない自由さが魅力。
路地奥にひっそりと暖簾を掲げる〈游美〉は、知る人ぞ知る日本料理の名店。隣に立つ〈つろく〉は、真摯な姿勢を共有しながらも、肩肘張らずに料理が楽しめる小料理店だ。要となるだしは同じものを使用。〈游美〉のスペシャリテである真丈も、〈つろく〉では椀物で味わうほかに揚げて餡かけにすることも可能になる。
〈つろく〉のカウンターに立つのは今はなき〈京味〉で修業を重ねた上田健登さん。熊を餅と合わせ白味噌の椀にするなど、基本と自由さの加減がちょうどいい。聞き慣れない店名が、古い京言葉で調和を意味すると知って、納得の一軒となる。