新垣結衣さん、愛って?

photo: Kotori Kawashima / styling: Yoshiaki Komatsu (nomadica) / hair&make: ASUKA FUJIO / text: Yusuke Monma

何かと殺伐したこの時代。愛って。改めてそう問い直したい気分です。思えば、いつの時代も様々な形で愛を表現してきたのが映画でした。家族愛でも、恋愛でも、友情でも、人情でも。大きな愛情を描いた映画を観て、胸を打たれたい。愛に正解はないけれど、自分にとっての答えなら誰もが探しているはずだから。

本記事も掲載されている、BRUTUS「愛って。その答えが見つかる名作映画300」は、2023年11月1日発売です!

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「誰かが誰かを思ったら、
それが愛なのかもしれません」

「喜びだけでなく、
憎しみや嫉妬も自分次第で
愛に変えられると思うんです」

「愛って。」その答えを映画の中に見つけるとしたら

「愛を描いた映画といえば……今パッと浮かんだのは『八日目の蝉』のワンシーンです。主人公の女性が警察に捕まって、育ててきた子供と離れ離れになる場面。“その子はまだご飯を食べていません。よろしくお願いします!”。女性が子供を気にかけて叫ぶその言葉には、間違いなく愛があったと思います」

新垣結衣さんが映画を通して愛を感じるのは、例えば誰かが誰かを思いやるような時。

「誰かが誰かを思ったら、それが愛なのかもしれません。“自分を愛する”と表現するような時も、もう一人の自分が自分を俯瞰して愛しているという感覚があります。だから意識が自分の外に向いた時、それが愛なんだろうなという気がするんです」

これまでに観てきた映画から、「愛って?」の答えを導き出すとしたら——彼女はこう考える。

「愛ってどのようにでも変化するものなのかなって。慈しみや喜びだけでなく、憎しみや嫉妬も場合によっては愛が変化したものなのかもしれない。その時、その状況によって、愛とはなにかは変わるし、そう考えれば自分次第でどれもこれも愛に変えることができるんでしょうね」

出演する映画『正欲』も、家庭環境や性的指向、容姿などにより、さまざまな生きづらさを抱えた人たちの関係性を描く愛の映画だ。

「人と人とがつながるということも今回の大きなテーマの一つ。ここに描かれているのは、たしかにさまざまな形の愛なんだと思います」

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