別離の悲しさよりも
相手の幸せを願う
穏やかで静かな休日
昔から宇多田ヒカルの曲を聴いていると、頭の中に何かしらの情景が浮かぶ。
アップテンポな曲調に乗せて、休日の昼間のワンルームで、主人公が誰かのことを考えている静かな時間が脳裏に浮かぶのがこの曲だ。印象的なのは、引っ越してしまったその誰かとの別れを惜しむ悲しさや寂しさよりも、相手のこれからの幸せを真っすぐに願っているような歌詞。
そして最後に出てくる“私を慈しむように〜”のフレーズからは、「別離は事実だけど、記憶が自分を慈しんでいるから大丈夫」と伝えるようなやさしく強かな別れのメッセージを感じる。メロディの向こう、そっと流れる2人だけのピアノ曲を想像させる。
談・ミヤギフトシ