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日々進化の精神で下町焼肉のレジェンドに。町屋〈正泰苑〉

地の利が良いとは言えない場所で、長く愛され続けているのには理由がある。通うほどクセになる穴場な町焼肉へ!

Photo: Kayoko Ueda / Text: Keiko Kodera

 正泰苑 総本店(町屋)

町屋に創業し、現在都内に7店舗を展開する〈正泰苑〉は、“下町ドリーム”の象徴のような焼肉店。

薄くスライスした内もも肉をサッとり、別添えのネギを巻いて食べる焼きスキ、専用の冷蔵庫で600時間熟成させて旨味を引き出したタンなど、2代目が考案したオリジナルの焼き物メニューのイチオシは塩上カルビ。真っ先に食べてほしいとトップバッターで提供。表面を香ばしく焼き、わさびをのせてから刺し身醤油につけて頬張れば、肉の甘味と辛味が口のなかでバランスよく合わさって、幸福絶頂の域に。

〈正泰苑 総本店〉店長の谷田部勉さん

肉をよりおいしく食べてもらうための工夫は、仕入れや仕込みはもちろん、どっしりしたフォルムが特徴的な七輪にも。石川県市の職人に特注した七輪は内側に天然珪藻土が使用され、保温断熱効果に優れているため、テクニックいらずで肉をふっくらとおいしく焼き上げることができるという。常に進化を忘れない心が“下町焼肉の絶対的エース”の座を揺るぎないものにしている。