ランプ
あっさり感と旨味を兼備する部位
「ランプ」とは「動物のお尻」のこと。その名の通り、牛の腰からお尻にある、もも肉の一部を指す名称だ。もも肉の中でも特に、軟らかくサシが控えめで、赤身肉の旨さを楽しめる。
ミスジ
中央に真一文字に入った筋が目印
肩甲骨の内側にあり、1頭から1〜2㎏しかとれない稀少部位。軟らかな肉質できめ細かなサシが入りつつ、赤身のしっかりとした味わいも感じられる。「ハゴイタ」という別名もアリ。
カイノミ
高級な稀少部位の一つ
バラ肉の中でも体の内側にある「中バラ」のうち、後ろ脚の近くにある部位。「ヒレ」と隣り合わせになっているから肉質が近く、しなやかな食感で赤身の味わいも品が良い。
ザブトン
名前の由来は四角い形状から
肩から背中にかけての部分・肩ロースの下側にあり、あばら骨側に位置。全面に均一、かつ細かなサシが入り、牛ならではの脂の甘味と赤身のコクを楽しめる部位だ。別名「ハネシタ」とも。
サーロイン
牛肉といえば、なメジャー部位
ロインとは「腰の肉」、華やかなサシととろける舌触りが特徴の高級部位だ。ヘンリー8世がこの部位を食べて感動し「サー(ナイトの称号)を与える」と言ったのが名前の由来という説も。
三角バラ
最上級のバラ肉はゴージャスな味
前脚のつけ根・肩バラの一部で、形が三角形のためこの名が。お店では「特上カルビ」とされていることが多い。全体的に見事な霜降りで、焼けば肉汁が溢れ出る、焼肉に適した部位。
カルビ
焼肉店でお馴染みの定番部位
「カルビ」とは「アバラ」のこと。焼肉店においては、あばら骨付近の「外バラ」「中バラ」に属する、さまざまな部位の総称となっている。いずれも、赤身と脂が重なり合い濃厚な味わい。
リブロース芯
とろける食感と濃い旨味が共存
肩からサーロインに続く「リブロース」の中でも、中央部の「芯」は特に、きめの細かさやサシの美しさ、焼いた際の甘やかな香りが際立つ。取り出すのにも技術がいる、贅沢な部位だ。
ヒレ
牛1頭の3%分しかない稀少部位
あばら骨の内側、大腰筋。運動量が少ないため、脂肪が少ないのにしっとり軟らか。繊維も微細で、デリケートな食感が特徴だ。クセの少ないあっさりした味わいが人気。焼きすぎは厳禁!
ミノ
貝を思わせる独特の食感と旨味
4つある牛の胃袋のうち、第1の胃袋。歯応えのある食感は、ほかのホルモンにはない魅力。味わいはクセがなく淡泊で、食べやすい。「ミノサンド」はミノの一部で、脂の層がついている。
ハツ
弾力のある食感が人気
“Hearts”がなまって「ハツ」、つまり心臓だ。サクッとした食感と、鉄分を感じるがさっぱりした味わいが、多くの人に好まれる部位。周囲の脂をつけたまま切った「ハツアブラ」は通好み。
シマチョウ
噛み締めると脂がにじみ出る
凹凸と厚みのある皮が特徴的な大腸。クニュクニュした食感の皮と、それに付随する脂の層のバランスが良い。艶は鮮度の良いことの証し。メニューでは「ホルモン」と書かれていることも多い。
ギアラ
胃袋の中で一番パンチのある味
第4胃袋の、ピンク色がかった艶やかな胃壁は、焼くとクニュッと噛み応えの良い食感に。甘い脂がのっていて、味わいは濃厚。「アカセンマイ」と呼ばれることもある。
マルチョウ
ジュワ〜ッとした脂が魅力
小腸を裂かずに裏返してから切った「マルチョウ」は、大腸と比べ皮が薄く、脂たっぷり。味噌ダレに負けない甘味とジューシーさが持ち味。筒を開いてから切ると「コプチャン」と呼ばれる。
ハラミ
内臓派にも正肉派にも大人気
その味や見た目から「正肉」と誤解されがちだが、ハラミは横隔膜なので流通上は内臓肉の分類。濃い味わいと、歯で引きちぎるのが心地よいしっかりとした繊維が、多くの人に愛されている。
センマイ
インパクトある見た目と淡い味
第3胃袋は、表面の細かい突起が特徴。本来は黒っぽい皮に覆われているが、写真のように一手間かけて湯剥きする店も。薄い中にもザクッとした食感が特徴で、味わいは控えめでクセがない。
タン
ご存じ、みんな大好き!な部位
tongue=舌。脂がのった根元の「タン元」と、脂肪が少なく歯応えがある先端の「タン先」、その中間部、風味の良い「タン中」、舌の下側で脂の多い「タン下」に大別される。
レバー
焼肉界の赤い宝石
肝臓。内臓の中で最も大きい部位。舌にまとわりつくような独特の質感と、鉄分を含む血の風味はこの部位ならでは。鮮度の良いものは、角がしっかりとしていて艶やか。「キモ」と呼ぶ地域も。