Learn

Learn

学ぶ

いまさら聞けない基礎知識。焼肉の部位とその特徴

焼肉店のメニューに載っている部位。名前は知っていてもそれが牛の体のどこなのか、 どんな味わいか、把握できていますか?代表的な部位とその特徴をまずはおさらい。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Haruka Koishihara

ランプ

あっさり感と旨味を兼備する部位

「ランプ」とは「動物のお尻」のこと。その名の通り、牛の腰からお尻にある、もも肉の一部を指す名称だ。もも肉の中でも特に、軟らかくサシが控えめで、赤身肉の旨さを楽しめる。

ミスジ

中央に真一文字に入った筋が目印

肩甲骨の内側にあり、1頭から1〜2㎏しかとれない稀少部位。軟らかな肉質できめ細かなサシが入りつつ、赤身のしっかりとした味わいも感じられる。「ハゴイタ」という別名もアリ。

カイノミ

高級な稀少部位の一つ

バラ肉の中でも体の内側にある「中バラ」のうち、後ろ脚の近くにある部位。「ヒレ」と隣り合わせになっているから肉質が近く、しなやかな食感で赤身の味わいも品が良い。

ザブトン

名前の由来は四角い形状から

肩から背中にかけての部分・肩ロースの下側にあり、あばら骨側に位置。全面に均一、かつ細かなサシが入り、牛ならではの脂の甘味と赤身のコクを楽しめる部位だ。別名「ハネシタ」とも。

サーロイン

牛肉といえば、なメジャー部位

ロインとは「腰の肉」、華やかなサシととろける舌触りが特徴の高級部位だ。ヘンリー8世がこの部位を食べて感動し「サー(ナイトの称号)を与える」と言ったのが名前の由来という説も。

三角バラ

最上級のバラ肉はゴージャスな味

前脚のつけ根・肩バラの一部で、形が三角形のためこの名が。お店では「特上カルビ」とされていることが多い。全体的に見事な霜降りで、焼けば肉汁が溢れ出る、焼肉に適した部位。

カルビ

焼肉店でお馴染みの定番部位

「カルビ」とは「アバラ」のこと。焼肉店においては、あばら骨付近の「外バラ」「中バラ」に属する、さまざまな部位の総称となっている。いずれも、赤身と脂が重なり合い濃厚な味わい。

リブロース芯

とろける食感と濃い旨味が共存

肩からサーロインに続く「リブロース」の中でも、中央部の「芯」は特に、きめの細かさやサシの美しさ、焼いた際の甘やかな香りが際立つ。取り出すのにも技術がいる、贅沢な部位だ。

ヒレ

牛1頭の3%分しかない稀少部位

あばら骨の内側、大腰筋。運動量が少ないため、脂肪が少ないのにしっとり軟らか。繊維も微細で、デリケートな食感が特徴だ。クセの少ないあっさりした味わいが人気。焼きすぎは厳禁!

ミノ

貝を思わせる独特の食感と旨味

4つある牛の胃袋のうち、第1の胃袋。歯応えのある食感は、ほかのホルモンにはない魅力。味わいはクセがなく淡泊で、食べやすい。「ミノサンド」はミノの一部で、脂の層がついている。

ハツ

弾力のある食感が人気

“Hearts”がなまって「ハツ」、つまり心臓だ。サクッとした食感と、鉄分を感じるがさっぱりした味わいが、多くの人に好まれる部位。周囲の脂をつけたまま切った「ハツアブラ」は通好み。

シマチョウ

噛み締めると脂がにじみ出る

凹凸と厚みのある皮が特徴的な大腸。クニュクニュした食感の皮と、それに付随する脂の層のバランスが良い。艶は鮮度の良いことの証し。メニューでは「ホルモン」と書かれていることも多い。

ギアラ

胃袋の中で一番パンチのある味

第4胃袋の、ピンク色がかった艶やかな胃壁は、焼くとクニュッと噛み応えの良い食感に。甘い脂がのっていて、味わいは濃厚。「アカセンマイ」と呼ばれることもある。

マルチョウ

ジュワ〜ッとした脂が魅力

小腸を裂かずに裏返してから切った「マルチョウ」は、大腸と比べ皮が薄く、脂たっぷり。味噌ダレに負けない甘味とジューシーさが持ち味。筒を開いてから切ると「コプチャン」と呼ばれる。

ハラミ

内臓派にも正肉派にも大人気

その味や見た目から「正肉」と誤解されがちだが、ハラミは横隔膜なので流通上は内臓肉の分類。濃い味わいと、歯で引きちぎるのが心地よいしっかりとした繊維が、多くの人に愛されている。

センマイ

インパクトある見た目と淡い味

第3胃袋は、表面の細かい突起が特徴。本来は黒っぽい皮に覆われているが、写真のように一手間かけて湯剥きする店も。薄い中にもザクッとした食感が特徴で、味わいは控えめでクセがない。

タン

ご存じ、みんな大好き!な部位

tongue=舌。脂がのった根元の「タン元」と、脂肪が少なく歯応えがある先端の「タン先」、その中間部、風味の良い「タン中」、舌の下側で脂の多い「タン下」に大別される。

レバー

焼肉界の赤い宝石

肝臓。内臓の中で最も大きい部位。舌にまとわりつくような独特の質感と、鉄分を含む血の風味はこの部位ならでは。鮮度の良いものは、角がしっかりとしていて艶やか。「キモ」と呼ぶ地域も。