ランキングから読み解く社会学
社会学も読み取れるのがYouTube急上昇の良いところ。ロシアの登録者ランキングは、児童アニメチャンネルが上位を占めている。
1位の『Get Movies』、2位の『マーシャと熊』は3000万人ほどのファンがいて、ピクサーレベルのグラフィックのアニメが観られる。急上昇にも、子供向けのアニメが頻出。なぜか?
最近、ロシアの出生率が、劇的に上がっているからである。ソ連崩壊時に、びっくりするくらいの少子化になったロシア。合計特殊出生率は、1999年には1.16まで落ち込み、人口減少が半端じゃなかった。そこを救ったのがプーチン大統領。第2子以降を出産した母親を対象に約100万円の「母親手当」を施し、出生率はV字回復。
ということで、アニメ作品を掘っていたら、ある日を境にラインナップが一変。事件は、半年前に遡る。反プーチン大統領派のナワリヌイ氏が、去年8月に飛行機内で倒れ、ドイツに搬送。西側諸国は神経剤による毒殺未遂とし、ナワリヌイ氏は大統領が計画に関与したと主張。そんな彼がこの1月、帰国した直後に拘束された。急上昇トップ10すべてが事件の関連動画になったわけである。真実は不明。
ただ、ロシアにおいてYouTubeは、政府に批判的な勢力にとっても重要なメディアになっているようだ。