Watch

窓マニアたちが集結!街で見つけた #わたしの推し窓 自慢

連なった窓、不規則に配置された窓、なぜこんな形に⁉と目を疑うような窓……。日々、街中で自分好みの窓を探し続ける屈指の愛好家4組が、これまでに集めてきた膨大な数の窓から厳選したベスト5を発表!

text: Sho Kasahara

ポツ窓(選者:名古屋渋ビル研究会)

「ポツ窓」とは、外壁に対してポツポツと独立して造られた窓のこと。名古屋を中心に厳選!

「窓の形もビルの形も角丸で、全体としてまとまったデザイン。時間帯によっては、壁に落ちる窓枠の影も美しい」

名古屋の喫茶文化を支える〈ワダコーヒー〉のビル。「コーヒーのような色味にダンディな見た目。角丸の窓がデザインの核に」

ポツ窓の代表、中産連ビル。「ランダムな配置と思いきや、実は規則性を持つ窓。中から見ると風景を切り取る額縁のようです」

海沿いの町、愛知・蒲郡(がまごおり)のビル。「H形の窓台が個性的。青と白がミックスしたタイルと、白の窓枠のコントラストが海のようです」

「控えめに開けられた窓が対になって全体に展開。城壁のようにも見えます。窓の向こう側が気になるのはポツ窓の魅力の一つ」

大阪のいい窓(選者:BMC(ビルマニアカフェ))

ビル好き5人組、BMCの川原由美子さんが選んだ、古き佳(よ)きビルがいまだ残る浪速の、個性的な窓。

建築家・村野藤吾が設計したビル。「ブルーがかったガラス窓が特徴的。白い外壁と水族館のような窓のコントラストが素敵です」photo/Kiyoshi Nishioka

「窓は至ってシンプルですが、牙のような形をした装飾が個性的。焼肉店ということもあり、なんだか食欲がそそられます」

細長い窓が連なることから通称「板チョコビル」と呼ばれる。「連続窓は見た目も美しく、窓面積も広いので採光もよく優秀です」photo/Kiyoshi Nishioka

〈珈琲艇キャビン〉は、船をモチーフにした喫茶店。窓は造船会社から取り寄せた本物。丸い木枠は家具職人の特注なんだとか。photo/Kiyoshi Nishioka

窓の下部は一見タイルに見えるが、実はガラスブロック。「当時のガラスは、表面の揺らぎ、色や光の入り方がとても繊細です」

デザイン窓(選者:UC)

洗練されたフォルムやユニークな造形。作家性も感じさせるようなデザイン性に優れた窓。

1960年に竣工した新潟市体育館。「ランダムに入る窓からの光がとても綺麗。扉と椅子の色使いも好きなポイントです」

かなり深い窓枠が大小並ぶ、名古屋の市営団地。「スキップフロアになっていて、2階部分の窓周りが個性的でとにかくかわいい」

さまざまな形のモノグラム柄が外観に並ぶマンション。写真は、柄の中で唯一の窓。六芒星の縁に四角い小さな窓が埋め込まれている。

団地内にある、大阪・堺白鷺郵便局。「郵便マークを模したブロック窓。誰もが一目でわかる、潔いデザインが面白いです」

昭和30年代に竣工した給水塔。「展望台にするため窓が取り付けられたが、その計画は中止に。いつか上りたいと夢見ています」

角の丸い窓(選者:河合莉子)

アーチ型や丸窓ではなく、もともと四角い窓の角が丸くなっている窓。まあるい縁が愛おしい。

「はめ込まれた窓ガラスが出窓風に縁取られていたり、扉も角が丸くカットされていたりして、随所にこだわりを感じます」

「メタリックでどこかスペーシーな装飾が印象的。屋根と壁の色や凹凸のコントラストが素敵です。窓に反射した夕空も美しい」

中央に四角いサッシ、両端にアール窓がはめ込まれている。「角の丸い窓の周りには、鮮やかな草花が咲いていることが多いです」

縦位置の角の丸い窓も珍しくない。「隅切りの面に角の丸い窓があると嬉しくなります。アールを施した壁がかわいらしいです」

窓の配置が珍しい窓。「この陣形はまだここでしか見たことがありません。ベージュの壁と、赤とも橙(だいだい)とも言える色味がまたよい」