王道を行くバーボン、「ワイルドターキー 8年」とは
アメリカ、ケンタッキー州を中心に造られるバーボンウイスキー。その歴史の中でも、多くの伝説に彩られてきたブランドの一つが〈ワイルドターキー〉だ。この名前が生まれたのは1942年、つまり今年で80周年。ケンタッキーの石灰岩層を通ってきた仕込み水をもとに、コーンやライ麦、大麦麦芽などの選ばれた原料と、自家製酵母を用いて、今も独自のレシピで造られ続けている。
バーボンウイスキーは、内側を焦がしたホワイトオークの新樽を使って熟成することが義務付けられている。〈ワイルドターキー〉では特にレベル4、通称“アリゲーターチャー”と呼ばれる、もっとも強く焦がした樽を使うのもポイントの一つ。こうした幾つもの特徴的な造りで、出来上がったウイスキーには、しっかりしたボディにスパイスの風味、バニラやキャラメル香が合わさった独特の風味が備わる。
一般に熟成年数が短いバーボンでは長期となる、8年以上の熟成期間を経てボトリングされるのが「ワイルドターキー 8年」。同ブランドのフラッグシップでもあるこちらが、2022年9月にボトルデザインをリニューアル。中身のウイスキー自体を目立たせるよう、紙ラベルは控えめになり、代わりにブランドのアイコンでもある七面鳥(ターキー)をボトル全面に大きくあしらった。
復活の12年、さらにディスティラーが選ぶ限定ボトルも
この〈ワイルドターキー〉のウイスキー造りを指揮するマスターディスティラー(蒸留責任者)が、ジミーとエディのラッセル親子。このブランドのみならず、バーボンの世界では知らぬ者もない大ベテランによって選ばれ、より長い熟成年数を過ごした原酒を用いたのが、「ワイルドターキー 12年」。実は1990年代にも人気だったアイテムだが終売となり、再販を望む声も多かったという一本。その復活となるリリースがこの9月に始まった。看板アイテムの8年と比べてもさらに長い12年熟成により、さらに強い個性を備えた仕上がりだ。
また、このラッセル親子がそれぞれ好むという原酒をチョイスしてブレンド、さらに特別に誂えた樽で追加熟成させたというスペシャルなアイテムとして、「ワイルドターキー マスターズキープ ワン」も、この10月に初登場。同じ原酒を詰めた樽でも、その管理状況、保管場所、またその年、季節ごとの変化によって、やがて原酒は様々な個性を備えるようになる。それらを見極め、ブレンドし、一つの銘柄に仕上げていくのがマスターディスティラーの仕事。これは、彼らによって特別にキープされた限定品となる。