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ミュージシャン・荒谷翔大の大切な古着の話

古着の価値観は人それぞれだ。何十年も着ている思い出の品や問答無用に好きな服。世界中から長い年月を経て、奇跡的に自分の元に辿り着いた古着たち。ミュージシャン・荒谷翔大が語る、古着・愛。

初出:BRUTUS No.988「おとなの古着。」(2023年7月3日発売)

photo: Shinsaku Yasujima / text: Shigeo Kanno

自分の元に巡ってきた古着を育てる感覚が楽しい

高校生の頃から学校の近くのスリフトショップでよく古着を買っていました。当時は自分のファッションスタイルなんてまだなかったけど、今思えば、当時から着古した感じの雰囲気に魅力を感じていましたね。卒業後、バンクーバーに1年間留学した時に出会った友達がきっかけで、ますます好きになっていきました。

今日着ているのは90年代のワークジャケットなんですけど、僕はイギリスのスタイルがベースのワークやミリタリーの機能的で動きやすい服が好きです。音楽もビートルズやオアシスなど、イギリスのオーセンティックなものに影響を受けています。と言いつつも、これはアメリカの〈ティンバーランド〉のものですが(笑)。

オイルドの乾いた風合いとか、ポケットの多いデザインが気に入っています。古着は、前の持ち主から受け継いだって感覚やそれを自分で育てるのがいいんですよね。今日穿いているジーンズはバンクーバーにいる時に買って、気づいたらボロッボロになってました……!

ミュージシャン・荒谷翔大
アウターは〈ティンバーランド〉のオイルドジャケット。アウトポケットのほかに、内側にも多くのポケットが配されているデザイン。ツアー先の神戸で買った古着のタンクトップに、自分で育てたジーンズをスタイリング。