外山圭一郎、山岡晃らゲームクリエーターが告白する、本当に怖いゲーム
閉ざされた底なし沼が怖い
『Inscryption』
Steam、PlayStation 5など/2021年
Daniel Mullins Games/デッキ構築型ローグライトと脱出ゲームスタイルのパズルに加え、サイコロジカルホラーも。
このゲームタイトルを知らずにいた方は、一切の情報を入れずにプレーを始めてほしい。とんでもないゲームを始めてしまったことに気づき、それから何度逃れようとしても再び卓に着くほかない。生け贄(にえ)の祭壇に立っているのはカードのプレーヤーである「主人公」なのか、それともこのゲームのプレーヤーである「私」なのか……。何であれ、抜け出したいはずの底なし沼へと歩を進めていく。(外山圭一郎)
己の中から生まれる怒りが怖い
『Inside』
Steam、PlayStation 4、Nintendo Switch、iOSなど/2016年
Playdead/シリアスな物語が渦巻く。パズルプラットフォーマーアドベンチャーゲーム。
恐怖とは、対「何か」、恐ろしい体をした物体、グロテスクな描写、奇々とした状況など、そこに置かれた己の感情を指すことが多い。しかし、それより最恐なのは、己の中から生まれた「怒り」に対峙した時ではないかと。その「怒り」に対峙し怒りを発する、または、その「怒り」を抑えようとする、己の中から生まれたそれらが、理性と感情とで怒濤のように戦うさまは、人間自身が一番怖がっていることだと思う。(山岡晃)
異形の生物だらけのカンブリア紀の海を泳ぐような感覚が怖い
『サブノーティカ』
Steam、Nintendo Switch、Xbox Oneなど/2018年
Unknown Worlds Entertainment/海洋惑星からの脱出を目指すオープンワールドサバイバルゲーム。
カンブリア爆発のイラストを見てそれに魅了された人は多いでしょう。同時にその奇怪な造形の生物たちに囲まれてその海を泳いだら……という想像にゾワッとしたこともあるのではないでしょうか。その恐ろしい想像を体感できるのがこの『サブノーティカ』。海中で妖しく恐ろしい生物との遭遇を堪能できます。(河野一二三)
田舎の闇が怖い
『SIREN』シリーズ
PlayStation 3など/2003年〜
SCEI/キャッチコピーは、「どうあがいても、絶望。」。『SIREN』『SIREN2』『SIREN:New Translation』が発売された。
私も地方出身なのでわかりますが、田舎は街灯が少なく、夜道は懐中電灯を持っていないと出歩くのも困難なほどの闇です。呪われた村が舞台の本作は、そんな闇への人間の潜在的恐怖を感じます。襲い来る屍人から隠れるため懐中電灯を消し、暗中模索しながらの探索を余儀なくされ、「どうあがいても、絶望」な状況を体感できます。(アイムシアン)