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菜園を始めたい人の第一歩!美味しいベランダファームの作り方

菜園を始めたい人の第一歩にぴったりなのが、ベランダファーム。マンションでも戸建てでも、ベランダの場合、プランターでの栽培が基本だ。限られたスペースをいかに素敵に整えるか。そのコツを齊藤太一さんに教えてもらいました。

初出:BRUTUS No.946「みんなの農業。」(2021年9月1日発売)

photo: Jun Nakagawa, Taro Hirano / illustration: Shinji Abe / text: Wakako Miyake, Hisashi Ikai

「ベランダにはエアコンの室外機が置かれていたり、熱がこもりやすいガラスやコンクリートに囲まれていたりするので、温度管理も重要。そこで、まず高さを上げて、日の光を当てたり、風通しを良くすることが大切なポイントに」

とはいえ、あまり高さをつけすぎると、今度は強風にさらされる恐れが。特にマンションの高層階は考えている以上に風が強い。

「そこでプランターを倒れにくくする工夫も必要です。僕のおすすめは、ホームセンターで売っている、スタッキング可能なプラスチックコンテナ。不織布を敷いて土を入れれば立派なプランターに。スタッキングした下段に土や肥料、ツールなどを入れて紐で留めれば収納兼風対策になります」

果樹など背の高いものを植えるならば支柱を立ててしっかり固定することが必須。また、ショウガやミニキャロットなど根を食べるものの方が、風の強いベランダには向いているのでは、とも語る。

「そして、基本的に1品種1プランターにしています。コンパクトなスペースだし、移動させることも多いので、多品種を寄せ植えするより管理しやすいと思います」

限られたスペースを最大限に有効利用する5つのポイント

1.可動性

日の当たる場所に持っていったり、洗濯物の邪魔にならない位置へ移したり。ベランダのプランターはなにかと移動させることが多いので、軽いものを選ぶのが鉄則。「頻繁に動かす可能性のあるものはカートに載せたままが便利です」。床に直置きしないので、熱がこもって蒸れることもない。

可動式カート

2.コンテナ使い

齊藤さんイチオシのカラフルなプラスチックコンテナ。軽量で通気性が良く、持ち運びもしやすい。「ホームセンターに1個数百円で売っています。同じくホームセンターで手に入る不織布を敷いて、土を入れます。肥料などこまごましたものの収納にもなるので一石二鳥。重ねて紐で束ねておけば、風が吹いても倒れにくいし、使い勝手抜群です」

プラスチックコンテナ

3.風対策

見た目もグッドで風にも負けないアイデアがこちら。「コンクリートブロックをプランター代わりにする方法です。受けがついているブロックに土を入れて野菜を植え、数個を紐で束ねて安定感を確保。ただ、コンクリートはアルカリ性なので、植えるのはネギなどアルカリに強い品種がいいと多います」。さらに、ツール類は万力で固定。これなら飛ばされる心配なし。

4.堆肥化

枯れ葉を取り除いたり、間引きしたりなどコンパクトな菜園といえどもゴミは出る。それらはコンポストに入れて堆肥にする。「大型のコンポストを置かなくても、バッグ型などいろんなタイプがあるので、好みのものを探してみて」

バッグに入れた堆肥

5.ハンギング

ベランダには吊せる場所がけっこうある。使っていない物干し台もその一つ。「高低差があると空間にリズムが生まれるので、吊すタイプも入れると面白くなります」。強風時は撤去を。

物干し台に吊るしたプランター
造園家・齊藤太一