そこにゴジラがある限り、買い続ける宿命です
小学校5年生で初めてゴジラを手にして以来、40年以上にわたりゴジラのソフビを集め続けているなべやかんさん。コレクションを収めた部屋には、東宝のゴジラシリーズをはじめ円谷プロのウルトラシリーズほかソフビや映画小道具がぎっしぎしに詰め込まれている。
「怪獣ソフビには初代〈マルサン商店〉から〈ブルマァク〉へ製造元の変遷があり、1期、2期、3期……と販売時期によっても価値が全然違う。でも明確に型番が残っているわけではないので、尻尾の微妙な形状の違い、ボディの素材の色とかペイントの発色とかを見極める。それこそ鑑定団の領域ですよね。
例えば〈マルサン〉製の1期発売品は当時350円だったものが、現在は100万円もの値打ちがついている。〈ブルマァク〉が海外向けに製造したハワイバージョンというのもあって、現在は30万円以上するらしい」と、素人にはいきなりマニアックな話だが、何千体というソフビを見てきたなべさんでも、過去には偽物を摑まされた苦い経験もあるという。
「むしろ失敗の歴史ですよ。こればっかりは、とにかく数を見て経験値を積むしかないし、モノの良し悪しを見極めるためには偽物を知ることも大切。コロナ禍以降、海外のお金持ちが市場に参入してきていて価格の高騰ぶりは異常。ゆえに偽物が出回る率も上がっている気がします。最近のものは本当に良くできていて見分けが難しい。でも本物はねぇ、醸し出すオーラが違うんですよ」