遡ること、1年ちょっと前。私たちはこの虎ノ門ヒルズ ステーションタワーという森ビルの計画について、小耳に挟んでいたもののきちんとは認識していなかった。その中で、情報発信拠点として機能するTOKYO NODEについて、幹事メンバーから説明を受けた。
光栄にもメディアパートナーとしての打診だという。参加企業のキックオフパーティが始まろうかというタイミングで、飛び入り参加したのである。
今回は第1回の記事ということで、私たちに課せられた使命、施設の概要説明を表面的にお伝えしたいと思います。いずれまたここで生まれた具体的なイベントや施策について、ブルータスのWeb記事やSNSでレポートします。
BRUTUSがやりたいこと、やるべきこと
皆さんもTOKYO NODEのサイトを見れば分かると思うんですが、めっちゃ未来的です。何せ東京の最先端ですから。Web3.0の世界に両足を突っ込んでいる人たちが、まだ紙に印刷なぞしている雑誌屋さんの我々を、未来の入り口に立たせてくれようとしている。
その真意は図りかねるが、これはブルータスにとってチャンスである。断る理由などあろうか。ずばり、私たちの役割は“虎ノ門にカルチャーを根付かせること”だ。
もうすぐ、年明けに創刊1000号の節目がやってくる。43年間で蓄積されたコンテンツ作りのノウハウは膨大だ。ここ虎ノ門で新しいパートナーとの共創でパワーアップしたコンテンツを作り、世に送り出したいと思う。
格好をつけたことを書いたけど、森ビルが虎ノ門一帯で進める巨大な街づくりがカルチャーのメインストリームだとしたら、我々はそこにサブカルチャーを持ち込みたいと思うのだ。元々、編集部というのも、あらゆる得意分野を持った人間の結節点(NODE)だ。
この場所に面白い人を集めて編集会議をやったり、街づくりに加わったり。珍奇鉱物から仕事術やファッション、ワインにホラー、ジャズ、アニメとなんでも包み込むポテンシャルを、ブルータスだけじゃなく、最先端のデジタル技術を味方につけた虎ノ門にも見出そうと思う。
TOKYO NODE LABという場所
場所の話に戻ろう。日比谷線の新しい駅「虎ノ門ヒルズ」の改札口を出て右へ。巨大なサイネージを見ながら進めば、B2から1階を見上げる圧巻の巨大吹き抜け空間が現れる。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーには飲食店やショップ、一般オフィスの他にスタートアップ企業を集積したフロアや、レジデンスやホテルだってある。
TOKYO NODE全体の総面積はなんと10,000平米!45階に3つに部屋が分かれたGALLERYと〈TOKYO NODE DINING〉、46階に約338人キャパのHALL、最上階49階に小林圭と北村啓太というスターシェフが手がけるレストランがそれぞれあり、スカイガーデンとインフィニティプールがある。
ブルータス編集部が主に関わるのは、8階にある「TOKYO NODE LAB」だ。ここはいわばTOKYO NODEに参加する企業のシェアオフィスであり、創造の拠点。隣にはボリュメトリック ビデオ スタジオや〈TOKYO NODE CAFE〉もある。
誰もが最先端の技術を体感できる
まず、45階GALLERY A/B/Cのこけら落としには、真鍋大度さん率いるライゾマティクスと、MIKIKOさん率いるELEVENPLAYが登場。パフォーマンスプログラム「Syn : 身体感覚の新たな地平」が行われている。
VR/AR、プロジェクションマッピングにロボティクス、ドローンなど、最新のテクノロジーがあくまで表現手段の一つとして、身体表現と絡み合っている。ギャラリーの天井高を生かした空間の中で、総勢24人がパフォーマンスを繰り広げる様は圧巻。
続いて、8階のボリュメトリック ビデオ スタジオ。ここはCanonとIBMがタッグを組み、作られたスタジオ。30個以上のカメラで同時撮影した画像を、(映像ではなく)3Dデータ化して、あらゆる角度からの映像表現に変えられる。しかも、その場で背景と合成するなどして、すぐにデモを見られるのだ。いきなり気分はハリウッドスター。この技術を生かした動画コンテンツを近々作りたい!
最後に、ボリュメトリックビデオ技術を生かしたアプリを見せてもらった。みなさんも「TOKYO NODE Xplorer」アプリダウンロードをして、天気の良い日にぜひ虎ノ門で試してほしい。正面に聳えるビルに新しい景色を見られるから。