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今日のギフト:〈つりや〉のほたるいかの素干し

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

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一献を愛するあの人へ
ホタルイカの至福の味わい

〈つりや〉のほたるいかの素干し

富山県随一の水揚げを誇る魚の都・氷見市で、江戸時代から続く老舗魚商の〈釣屋魚問屋〉。氷見沖や能登沖などの近海で採れた魚の幸を、燻製や干物、オイル漬け、昆布〆などに加工する“海の保存食”ブランドが〈つりや〉だ。

旬の魚介の中でも最上級のものを選び、吟味した調味料と手間暇をかけた製法で丹念に仕上げ、当然ながら添加物も不使用。氷見の魚介のポテンシャルを存分に堪能できる、呑み助の心をくすぐる一品揃いだ。

中でもNo.1の人気を誇るのが「ほたるいかの素干し」。魚醤(いしる)に漬け込んだホタルイカを一枚一枚丁寧に干し、その姿のなんと美しいこと! そしてサクサクと嚙み切れる半生の食感に驚き、そこからじんわりと溢れ出す濃厚な旨味に陶然となる。

大事なのは4月初旬~中旬に採れるサイズの大きいホタルイカを買い付けること。大きく育ったホタルイカは内臓もしっかりと詰まっており、ライターなどで炙って齧ると内臓がトロリと溶け出す。この独特の苦味と旨味、香りがなんとも酒に合う。

サックリとした歯ごたえも、試行錯誤の末たどり着いた干し加減から生まれるのだとか。冷酒にも燗酒にも合う、最高の伴奏者だ。

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