和菓子を愛するあの人へ
あんのおいしさに心奪われる名作大福
〈松島屋〉の豆大福
1918(大正7)年創業の和菓子店〈松島屋〉。大福や草大福、みたらし団子といった餅菓子で知られる店だが、中でも豆大福は1日1000個以上を早いときには午前中に売り切るという、東京エリアの“名作大福”の一つ。
〈松島屋〉のおいしさの核は甘みと弾力に富んだ宮城県産みやこがねと、十勝産小豆。こっくりと炊き上げた小豆に塩みをキリリと効かせた粒あんが特徴で、ごくごく薄く包んだみやこがねの生地の中にこの極上の粒あんがぎっしりと詰まっている。頬張ればまず餅生地の弾力にうっとりとし、粒あんの程よい甘みとともに塩みがスッと立ち上がって、この塩梅が実にカッコいい。
初代が宮城のご出身で、屋号も故郷の地・松島から。「あんの塩みの加減もそうですが、作り方は創業時から特に変わってないんですよ」と三代目店主の文屋弘さん。保存料などは一切不使用のため、賞味期限は1日。でもその日のうちに食べきる“朝生(あさなま)”菓子とは本来、そういうもの。
これだけの手間とぎっしり詰めたあんをもってして、1個210円という価格にも感動を覚える。発送などはなく店頭での購入のみ。わざわざ買いに訪れる時間もまた、ギフトの気持ちになる。