色々あって、強くならなきゃいけない。私自身、通じるものがある役でした
唐田えりかさんが本作のオーディションに参加を決めたのは約3年前。俳優の仕事を続けるべきか悩んでいた頃だった。
「どの役になるかわからなかったけれど、マネージャーさんに“長与千種さん役が合っている”と言われたんです。実際に長与さんについて調べると、“強くならなきゃいけない、なるしかなかった”っていう部分に自分と通じるものがあった。まったく違う人生だけど、今まで経験したことや感情を、この役になら投影できるかもしれないと思えて。絶対に摑(つか)みたい役でした」
晴れて長与千種を演じることになった唐田さんを待っていたのは、自分の弱さと向き合う日々だ。
「嬉しい、悔しい、悲しい……長与さんを演じるにあたって、すべての感情に蓋をしないで生活してみようと思ったんです。私は運動自体得意じゃなくて、作品と同じように普段の練習でも落ちこぼれ。だから長与さんの得意技であるフライングニールキックという技をすることになった時も、最初は“代役にしよう”と言われたのが本当に悔しくて、ポロポロ泣いてしまって。全部自分でやりたくて、とにかく練習しました。
そして、長与さんご本人がスーパーバイザーとしてずっと一緒にいてくださったのは心強い半面、“昔の自分はこうじゃなかったって思われたらどうしよう”とプレッシャーもあった。でも、長与さんにいただいた“自分もリングの上で長与千種を演じていたし、リングの上なら強くなれたの”という言葉の通り、いつしか私もリングに立つと、無双状態というか。負けない、という思いを自然と持つことができました」
かく言う唐田さんは、もう一つ、リングの上でわかったことがある。
「小学生の時にプロレスの試合を観に行ったことがあったのだけど、怖くて物陰に隠れていたら、アジャ・コングさんに標的にされて、台車が飛んできた(笑)。その記憶があるから、実はプロレスを好きになるところからのスタートだったんです。それで長与さんにその魅力を尋ねたところ、“観客の一人一人が、普段感じている悔しさやもどかしさをリング上の自分に投影して、応援してくれる。そして、そのみんなの思いを自分が戦って発散するプロレスは、芸術の一つなんだ”とおっしゃったんです。最初は、それを“そうなんだ”って漠然と聞いていたけど、大勢のエキストラさんの前で試合をやっていると、長与さんが言っていたことがわかった。本当に会場が一体となって、一つの物語があるんです」
唐田えりかの沁みるワンシーン
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix
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Netflixシリーズ『極悪女王』 写真提供/Netflix