俳優としての挑戦を支えるのは、水泳で培われたストイックさ
「今はだいたい、週に2、3回のペースで泳いでいますね。半分は俳優としての体づくりのためであり、半分は日々のマインドフルネスのためでもある。水泳は僕にとっては欠かすことのできない習慣ですし、アイデンティティそのものだとも思っています」
濱尾ノリタカさんにとって、極めて縁の深い水泳。生後半年の頃からベビースイミングで水と親しみ、高校生の頃には競泳の有力選手としてインターハイやジュニアオリンピックに出場。俳優になる前は、水泳一筋の学生時代を送ってきた。
「物心ついた頃には泳ぐのが習慣になっていたので、自分で望んで始めたわけではありません。でも小学校に入って他のスポーツも経験する中で、水泳だけは周りの誰よりも得意だった。それが嬉しくて打ち込むようになりました。中学生からはクラブチームに所属し、世界で戦うような仲間に恵まれてからは、一層のめり込むようになりましたね。自分よりもタイムの速い選手もたくさんいましたが、取り組み方や努力では負けたくなかった。常に対等でいたいと思っていました」

泳ぐことに真正面から食らいついていた彼が、一転俳優を志したのは大学2年生の時。大学の競泳部に所属し、水泳漬けの日々を送っていた当時のことを、「挫折感に悩んでいた」と振り返る。
「高校生の頃までは全国大会で戦えていたのが、大学生になるとがむしゃらにやるだけではうまくいかなくなって。壁にぶつかって、すごく苦しかったんですよね。そうした中で、自分が特別だと思える何かを水泳以外に見つけたかったんだと思います」
情熱の矛先を見つめ直す中で、思い浮かんだのが『仮面ライダー』。特撮マニアだった父の影響で、幼い頃から漠然とした憧れを抱いていたことを思い出し、浮上したのが俳優だった。「部活にも両親にも、3ヵ月だけ時間をくださいとお願いして水泳を休んで、その間にオーディションを受けたり、いろんな人に会いに行ったりと、きっかけを掴もうと模索しました。前に進みたい一心でしたね」。新しい目標を見つけると即行動に移すところは、ストイックな彼らしい。

水泳も芝居も、基礎の先に“自分らしさ”がついてくる
地道な努力の甲斐あり、現在の所属事務所との縁に恵まれた濱尾さんは、準備期間を経て2020年に俳優としてのスタートラインに立つ。まず目指したのはもちろん、『仮面ライダー』シリーズへの出演。しかし勢い勇んで受けた初めてのオーディションはあえなく不合格。役を射止めたのは、2度目のチャンスでのことだった。「一度落ちたことで、水泳や勉強と同じように芝居も基礎が大事だという当たり前のことに気付いた」という彼。以来、ストレッチやトレーニングによる基盤の体づくりや、発声練習などの地道な鍛錬が日課となる。
「いろんな監督や演出家が主宰する俳優ワークショップの情報を調べて、自主的に参加するようになったのもこの頃からです。水泳でもそうでしたが、まずは基礎が肝心で、自信がついて余裕が生まれることで初めて、本当の意味での自分らしさがついてくる。基礎を徹底的に磨くことは、現在進行形で心がけています」


またその後のキャリアでは、俳優という仕事の責任を痛感する経験もあった。2024年のNHKドラマ『コトコト~おいしい心と出会う旅~富山編』で演じたのは、若き漁師・壮太の役。撮影は同年1月の能登半島地震で被災した富山県内の漁港で行われた。
「撮影自体を断念せざるを得ない状況の中で、地元の方たちの協力があってなんとか漕ぎ着けられた収録でした。そうした中で、壮太のセリフに“先輩たちが過ごしてきた毎日は当たり前のことじゃないかもしれん”というのがあって、これが当時の背景と重なって深く心に刺さったんですよね。セリフはただ発するだけじゃダメで、命に触れる覚悟で向き合わないといけないなと。お芝居は、ある意味嘘の世界。だからこそ扱う感情は本物じゃなければならない。役に真摯に向き合う大切さに気づかせてもらいました」



シンプルで、動きやすく、ユニフォームのように決まる装いを
日々多くを吸収しながら、成長の最中にいる彼にとって、装いは、シンプルであること、そして動きやすいことが肝心だ。
「トレーニング後、その服装のまま台本を読みに喫茶店に行くこともあるし、友人とご飯に行くこともある。動きやすさは第一に、だけど程よく洗練された服装が好みです。もともとファッションは好きですが、今は芝居のことを第一に考えた生活を送っているので、服選びには時間をかけたくないし、体にも心にも負担のかからないシンプルな格好が心地いい。色味も黒などが多いですね」
この日着てもらった〈TOKYO DESIGN STUDIO New Balance〉のアイテムは、アスリートウェアとしての機能を備え、スポーティでありながら、日常着としてもフィットする洗練されたデザイン性が持ち味。「このナイロンのセットアップなら、僕の生活のほとんどの場面をカバーできそう」と濱尾さん。
「ユニフォーム感覚で着られて、これだけでスタイルが決まることが嬉しいです。薄手だからアウターさえ羽織れば一年中着られますね。今日みたいに襟付きのシャツを合わせたら少しきちんとした印象にもなるし、インナーをTシャツに変えて着回すのも楽しそう。今の自分にぴったりの一着です」

俳優としては今年で5年目を迎え、ここからさらなる飛躍が期待される濱尾さん。今後はどのようなことに挑戦したいのだろうか。
「最終的には水泳とつながる仕事がしたくて、競泳選手の役はやってみたいですね。部活をやめてからは泳ぐことから少し離れていた時期もありましたが、ここ数年、改めて冷静になって水泳に向き合ってみると、運動としてはもちろん、電波や周囲の目から遮断される水の中の時間は、マインドフルネスにつながるとも気づいたんですよね。アスリートとして向き合うことはなくなったけれど、やっぱり水泳は変わらず大事なもの。水泳人口が減っている今だからこそ、僕が俳優の仕事を通じて、魅力を伝えられたら良いなと。そのためにもお芝居、もっと上手くなりたいですね」

たった5デニールという極薄のコーデュラリップストップ素材を用いた、スポーティなセットアップスタイル。10万回以上の耐摩耗試験をクリアし、超軽量というだけでなく、その強度も折り紙付き。さらには、撥水性、透湿性、ストレッチ性にも優れ、洗濯機で丸洗いできるのも嬉しい。
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