旅人たちの窓辺。写真家・池田晶紀が撮る、サウナの窓

photo: Masanori Ikeda / text: Takuro Watanabe

窓は旅情をかき立てる。移動中のふとした瞬間に出会う美しい景色は窓とともに記憶され、窓から差し込む光が訪れた場所の思い出を特別なものにする。写真家・池田晶紀が語る、忘れられない旅の窓。

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サウナの窓

サウナって自然と一体化するための装置なんです。外の自然環境と溶け合い、自分の内にある野性にも気づくことができます。内と外はすごい温度差だし、窓を隔てて、ここまで世界が変わるのはサウナぐらいじゃないでしょうか。

フィンランド・ラップランド地方のサウナ。「窓は心を開放してくれます」。
「ラトビアでの窓越しのウィスキング風景です。窓に映るシラカバの葉を使ってウィスキングしてくれています。サウナと森と人が一体化している時間ですね」

サウナ愛好家としての池田晶紀は「このサウナ室の素材はなんだろう?」とか、かなり細かいところまでサウナ室を見るんですけど、写真家の池田晶紀としてはサウナで体験した感覚を表現しています。僕のサウナの写真には窓からの光によってフレアが入ることが多いんですけど、これは「今こんな状態だよー」っていう気持ちよさや自分の心情が写されているんです。だから、心なんじゃないですかね。うん、わかった!「窓は心」(笑)。

ラトビアのサウナ室で見た美しい光。
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