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ライター・鍵和田啓介のお気に入り私物Tシャツ6選。選び抜かれた顔T

カジュアルで、普遍的で、シワや汚れもご愛嬌!と思えるTシャツは、最も身近なファッションアイテム。だからこそ、その一枚にセンスが光るものだ。映画や音楽などのカルチャーに精通するライター、鍵和田啓介が選ぶのは?
前の記事「BoTT〉デザイナー・TEITOのお気に入り私物Tシャツ6選。思い出のあるグラフィックTたち」も読む。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: Minori Okajima

胸元には、いつもインパクトのある顔を

「年中ずっとTシャツを着ていますが、結構好きなデザインは固まっていますね。好きで集めているのはアーティストや俳優の顔をプリントしたもの。意図的に集めていたというよりは、気づいたらこんなに増えていました。普段チェックしているのは主に〈Etsy〉などの海外通販とアーティストのマーチ」

「あとはミュージアムショップのグッズTシャツを探すのも楽しいですね。正直、美術展の内容よりもこちらが本命だと思うときも、しばしば。海外に行ったときも時間が許す限り立ち寄るようにしています」

Drew Barrymore

「ジャスティン・ビーバーのファッションブランド〈drew house〉の、割と初期のアイテムですね。ブランド名とドリュー・バリモアをかけたユニークセンスに100点をあげたい。ドリューが主演を務めた『50回目のファーストキス』はラブコメ映画が好きになったきっかけをつくった作品。それも相まって、絶対買いたいと思った。発売直後、日本では早朝ですがPCに齧り付いて購入した一枚です」

William S. Burroughs

「1950年のビート・ジェネレーションの中心にいた小説家、ウィリアム・バロウズのTシャツ。彼のモチーフはあまり世に出ていないですね。〈Esty〉で彼のサイン付きというTシャツが販売されていたのですが、500ドルと高価で断念。それから少し経った頃、熊本にある古着店のInstagramで偶然発見し、これは買うしかないだろうと急いでDMした記憶があります」

William S. Burroughs

「これも、同じ古着店で売っていたものを購入しました。同時期に2枚揃っていることなんて、珍しかったと思いますよ。『Will he have 3-D in Time?』と書かれたもので、どちらも1996年に発売されたようです」

田中泯

「田中泯さんのドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』のグッズです。ちょうど取材でご一緒する機会があり、その際いただいた思い出の品。ポスターグラフィックが背中にプリントされているのですが、田中さんの気迫がじわじわと伝わってきて格好いい」

Princess Diana

「3年前ぐらいですかね、妻がプレゼントしてくれたダイアナ妃のグラフィックTシャツです。これはアーティストのConstance Maryがデザインしたもので、ダイアナ妃にまつわる様々な憶測をジョーク的に表現しているのだとか。俳優のエズラ・ミラーもこのアーティストのアイテムを着たりと、最近何かと話題」

Kate Millett

「アメリカ・オースティンを旅したとき、ふと立ち寄った書店で買いました。ここではフェミニズムにまつわる書籍やグッズを豊富に扱っていて、中にはケイト・ミレットが定期的に開催していたイベントのTシャツも。随分と大きいサイズだし、着続けたら色が変色してきたんですけど、それも愛嬌かなって思います」