ゲームクリエイター:〈ベルウッド〉鈴木理香
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思い出のゲーム
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Published by Nintendo
映画でも小説でもドラマでもない。ゲームでエンタメを
初めてゲームに触れたのは、1980年代のPCゲームでした。テキストベースだったものにドットのグラフィックがつき始めた頃。『ミステリーハウス』というアドベンチャーゲームを遊んで、自分も作ってみようと思ったんです。大学卒業後、一度は企業に就職したのですが、新しいことをしたくて仲間とゲーム会社を立ち上げ、PC用ゲームの『殺人倶楽部(マーダークラブ)』を作りました。
シナリオを書くのも初めてだし、メンバーの人数も少ないからプロットを話し合うなんてことはせず、プログラムに直書きでした(笑)。私は海外文学が好きで、ミステリーはゲームと相性が良いなと思っていたので、ニューヨークを舞台にした完全犯罪もの。作品が当たらなかったら仕方ない……と覚悟はしていましたが、ありがたいことに多くの方々に認められ、ゲームクリエイターとして仕事を続けられることに。
それ以来、映画でも小説でもドラマでもない、ゲームでしかできないエンタメを作りたいと思ってきました。『殺人倶楽部』は様々なハードに移植され、今はNintendo Switchでも遊べます。ゲームのライフサイクルは短いと思ってきましたが、今はダウンロード販売もあり昔の作品も遊びやすい。物語に魅力があれば、タイムレスに遊べる時代になりました。
これまで原作のあるゲームを手がけたことがなく、オリジナルばかり作ってきました。ニンテンドーDSの『アナザーコード』は、タッチパネル機能を生かしたアドベンチャーゲーム。長くゲームを作ってきた私が、世界中のDSユーザーに向けて、いかにわかりやすく魅力的なソフトを作れるかという挑戦でもありました。次に作った『ウィッシュルーム』は、大人も楽しめるスタイリッシュな作品で、ロトスコープを使ったビジュアルも人気に。
いずれも、大切にしたのは世界観とキャラクター。私はゼロからイチを生み出す「企画・シナリオ」を担うので、まずは物語の中でどんな人物がどう生きていくのか思い描いてシナリオを書き始めます。彼らの生きざまが見えてくると、ふとした選択やアクションに共感が生まれ、ゲームへの没入感が増すのだと思います。特にアドベンチャーゲームには感情を巻き込みながら謎を解き、結末に辿り着く面白さがある。そんな記憶に残るゲームを作りたいというのが私の信条です。
鈴木さんの代表作
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©Nintendo
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©Nintendo