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〈井尻珈琲焙煎所〉店主に聞く、店の個性際立つ夏のレコード5枚とその理由

一面のレコード棚から次にかける一枚を嗅ぎ分けて選び出す。その選曲からは店の哲学や店主の人生までもが浮かび上がってくる。〈井尻珈琲焙煎所〉店主・井尻健一郎さんが選ぶブルータスのための夏のプレイリスト。

text: Kanta Hisajima

井尻珈琲焙煎所(大阪/大正)

店主:井尻健一郎

Q1

2021年7月1日最初にかけたい一枚は?

A1

『Cookbook』John Andrews & The Yawns

ヴィンテージオルガンのフォーキーな音質と、淡い歌声が印象的。ポジティブな空気感と力の抜けた音で夏の朝に聴きたいですね。ニューハンプシャーのシンガーソングライターが今年5月にリリース。

『Cookbook』John Andrews & The Yawns
『Cookbook』John Andrews & The Yawns

Q2

店に絶対になければならないお店を象徴する一枚は?

A2

『Closing Time』Tom Waits

営業終わり頃、店内で思い思いにコーヒーを飲む人たちに向けよくかける一枚。どんな場面でも人の感情に寄り添ってくれる不思議な作品。枯れた歌声でブルース、ジャズなど幅広い曲調を展開する1973年の作。

『Closing Time』Tom Waits
『Closing Time』Tom Waits

Q3

音楽に夢中になるきっかけとなった一枚は?

A3

『Workingman's Dead』Grateful Dead

中学生の時に教えてもらった、70年代サイケロックの金字塔的な名作。当時、激しめの音楽(パンクなど)ばかり聴いていた自分は音楽の奥深さを知ってココからどっぷり音楽の沼にハマっていきました。

『Workingman's Dead』Grateful Dead
『Workingman's Dead』Grateful Dead

Q4

最近手に入れた一枚は?

A4

『The Aquarius Years』Tiombé Lockhart

通販で、間違って届いたのだけど、実はこれも欲しかったという奇跡の一枚。ヒップホップファンにも人気が高いNYのソウル、R&Bシンガーのデビュー作。ジャケットやアートワークも気に入っています。

『The Aquarius Years』Tiombé Lockhart
『The Aquarius Years』Tiombé Lockhart

Q5

夏に飲みたいドリンクと一緒に聴きたい一枚は?

A5

『Roped In』North Americans

柔らかなペダルスティールによるアンビエント感のあるインストギターが響きます。暑い日に冷房の効いた店内で、ぼんやりしながら温かく濃いコーヒーを飲む時にかけたいレコードです。2020年の作。

『Roped In』North Americans
『Roped In』North Americans