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〈chiba house〉店主に聞く、店の個性際立つ夏のレコード5枚とその理由

一面のレコード棚から次にかける一枚を嗅ぎ分けて選び出す。その選曲からは店の哲学や店主の人生までもが浮かび上がってくる。北は札幌、南は長崎まで、全国の23軒の名店主が選ぶブルータスのための夏のプレイリスト。

text: Kanta Hisajima, Wataru Sato, PILOT PUBLISHING

chiba house(北海道/札幌)

店主:千葉幸平

Q1

2021年7月1日最初にかけたい一枚は?

A1

『Orbe』Orbe feat. Luca

一日のスタートはお店も僕もまだ完全に目覚めてないので、音数が少なく優しい音を欲しています。このレコードは昨夏の開業準備時によく聴いていて、コロナ禍の混沌とした状況で疲弊した心を癒やしてくれました。

『Orbe』Orbe feat. Luca
『Orbe』Orbe feat. Luca

Q2

店に絶対になければならないお店を象徴する一枚は?

A2

『HoSoNoVa』細野晴臣

店名の由来でもある『Hosono House』から38年後に発売され、リアルタイムで聴いた思い入れの強い一枚。懐かしく温かみのある音質が新しく感じます。当店の深煎りブレンド「ラモナ」は、本作の1曲目から拝借。

『HoSoNoVa』細野晴臣
『HoSoNoVa』細野晴臣

Q3

音楽に夢中になるきっかけとなった一枚は?

A3

『The Beatles Ballads』The Beatles

小学生の頃、実家にあって初めて聴いたレコード。数あるベスト盤の中でも、バラードを中心とした選曲が抜群で、自分の音楽的ルーツとなった作品。カセットテープに録音して、すり切れるほど聴きました。

『The Beatles Ballads』The Beatles
『The Beatles Ballads』The Beatles

Q4

最近手に入れた一枚は?

A4

『Mirry』Mirry

大叔母のミリィが家族に内緒でレコーディングしたピアノ音源を、時を経て姪孫のトムが発見し、それをリワーク、リミキシング。ノスタルジックな音像と少しアバンギャルドなアレンジで、過去と現在が融合した愛らしい作品。

『Mirry』Mirry
『Mirry』Mirry

Q5

夏に飲みたいドリンクと一緒に聴きたい一枚は?

A5

『My Favorite Tune』福居良

彼の作品を聴いてジャズ=情熱と知りました。初にして唯一のピアノソロ作品はオリジナル曲が多いのが魅力で、その実力と才能を存分に発揮。夏の夜、ベンロマックを飲みながら、孤高のジャズマンに思いを馳せたい。

『My Favorite Tune』福居良
『My Favorite Tune』福居良