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市川紗椰 × ハマ・オカモトの『スター・ウォーズ』ドラマシリーズを語らせろ!〜前編〜

『スター・ウォーズ』ドラマシリーズが、どうやら面白いらしい。大の『スター・ウォーズ』ファンである、モデルの市川紗椰さんとミュージシャンのハマ・オカモトさんがドラマシリーズへの溢れる愛を大放出。これを読んだら、あなたも観ずにはいられないはず。後編はこちら

text: Katsumi Watanabe

2019年の『マンダロリアン』シリーズを皮切りに、実写版ドラマシリーズが次々と発表されている『スター・ウォーズ』作品。旧作で物語として足りなかった箇所を補完し、さらに拡張されつつある“遠い昔、はるかかなたの銀河系で…”の世界。

幼少期に『スター・ウォーズ』に魅せられ、そのオタクっぷりが買われたプロデューサーのデイヴ・フィローニが練り上げた物語構成はもちろん、ザ・チャイルドことグローグーをはじめ、実写初登場となるアソーカ・タノやスローン大提督などなど。ドラマシリーズには、映画に引けを取らないほど、魅力的なキャラクターが登場する。今年10月に最終回を迎えたドラマ『スター・ウォーズ:アソーカ』は、昔からのファンはもちろん、動画サイトの予告のおかげか、新しいファンも獲得している。

しかし、一方では2008年からテレビアニメ・シリーズとして放送が開始された『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(全133話)や、14年の『スター・ウォーズ 反乱者たち』(全75話)と繋がる物語のため、なかなかその壮大な世界に飛び込めない人も多い。そこで『スター・ウォーズ』シリーズの大ファンでもあるハマ・オカモトさん、市川紗椰さんにドラマシリーズへの入門方法、さらにその魅力を語ってもらった。

映画終わりじゃもったいない、サーガに深みをもたらしたドラマシリーズ

ハマ・オカモト

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)から始まる新3部作開始以降、実は『スター・ウォーズ』に関してお話をするお仕事を、全部お断りしていたんです。

市川紗椰

そうだったんですね。以前、ラジオ番組で『スター・ウォーズ』グッズを持ち寄ってお話しした時は、まだ新3部作の始まる前でしたね。ハマさんがルークの育ての親であるオーウェンおじさんが、丸焦げになった亡骸のフィギュアを持っていらして。実物を目の前にして、すごく感動したんですよ。

ハマ

市川さんはトーントーンの寝袋を持っていらして(笑)。

市川

ちなみに、ドラマシリーズはご覧になっていたんですか?

ハマ

もちろん。『マンダロリアン』など、観ていましたよ。ただ、今年8月『アソーカ』の初回を観ていた時のこと。「あ、これはアニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』を観た方が、もっと楽しく見られるな」と思ったんです。

実は『反乱者たち』を見逃していたので、急いで全4シーズンを観て、それから『アソーカ』のシリーズへ入った。『反乱者たち』のヤバいラストシーンから、『アソーカ』の冒頭へ繋がる展開。数年ぶりにめちゃくちゃ興奮して、とにかく誰かと話したかったんです(笑)。

だから、この企画はめちゃくちゃタイムリーなお誘いだった。市川さんと数年ぶりに『スター・ウォーズ』のお話ができることを、すごく嬉しく思っております。

市川

最高のタイミングで観ましたね。

ハマ

そうなんですよ。今までアニメだったキャラクターたちが、いきなり実写になって出てくるとか(笑)。めちゃくちゃよかった。

市川

『反乱者たち』から10年近く経っていることもあり、『アソーカ』を観ながら、ぼんやりした部分を確認することがあったんですよ。

ハマ

『クローン・ウォーズ』にしても、もう15年も前ですから。

市川

そうですね。全133話あって、全体的な物語とは関係ない回もあったりして。R2-D2が主役なんだけど、とにかくトホホな回とか、逆に好きですね。

ハマ

いいエッセンスになっていますよね。

市川

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)から続く3部作には、さまざまな意見があったと思うし、語り足りない部分も多かったけど、『クローンウォーズ』のおかげで、『エピソード1』からの3部作に、より深みが出たと思います。

『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』
『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』
2008年にスタートした3D・CGIアニメシリーズ。デイヴ・フィローニ総監督が作り出した新しいスター・ウォーズの世界。全7シーズン、合計133話の壮大な物語。

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で、銀河共和国と分離主義勢力が衝突し、クローン戦争が勃発。共和国側であるジェダイとクローン・トルーパーらが、分離主義側であるシスやバトル・ドロイドと壮絶な戦いを繰り広げる。クローンでアナキンやオビ=ワンらと行動を共にするキャプテン・レックス。『アソーカ』では相棒的な役割を果たしたヒュイヤン教授。

そして、分離主義側には『エピソード3/シスの復讐』にも登場する、ジェダイ狩りで知られるグリーヴァス将軍など。後のシリーズにも登場する個性的なキャラクター。そして、ファンにとってはトラウマ的な影を落とすジェダイ掃討作戦“オーダー66”の裏側も描かれる。ディズニープラスで独占配信中。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

ハマ

スピンオフ作品の流れを見ると、すべてはクローン大戦に繋がりますよね。『クローン・ウォーズ』は当初、カートゥーンネットワークで始まったCGアニメ・シリーズで、ファンからすると、初めての実写ではないアニメ作品。ちょうど『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で描かれた世界と並行する話で。最初は正直「アニメなのか……」ともなりましたけど。

市川

実は1999年に『ファントム・メナス』が公開される直前に、わたしの地元の映画館でオリジナル・トリロジーがリバイバル公開されたんです。友達とハマりましたが、2005年の『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』から『クローン・ウォーズ』まで、3年間空いた。しかも、アニメということで、子供向けだと感じて「うーん」とは思いましたけど。

ハマ

僕は後追い。DVDで観ましたが、周りの友達でも見ている人はいなかったかな。

市川

映画とは違い、友達と「あの回はさー」とか、熱く語った記憶はないですね。『スターウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1978年日本公開)で、最初に一言だけ『あなた、クローン戦争で戦った?』って、出てくるだけじゃないですか。「あれが、こんなに発展するんだ!」という驚きはありましたが。

ハマ

当時は“ケノービ将軍”でしたから(笑)。そこを丹念に掘り起こしていくという。

市川

個人的には『クローン・ウォーズ』という文字面だけを見て、クローン細胞や人間を想像し、「オビ=ワンのクローンを作り、オビ=ワンVSオビ=ワンという対決もあるな」と妄想して(笑)。同人誌とかも作っていましたね。

ハマ

市川さんご自身で?オレの考えたクローン的な(笑)。

市川

そうですね。『クローン・ウォーズ』が始まってからは、答え合わせ的に観て。全然違いましたけど(笑)。

ハマ

めちゃくちゃ楽しそうですね。

市川

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の劇中でルークが飲んでいた青い牛乳を真似して食紅を入れた、青い牛乳とか飲んでいました。

推しキャラから入るスピンオフ

市川

例えば、オリジナル・トリロジーからヨーダが好きになった人が、キャラクター目当てで、軽い感覚から観始めてみてもいいと思うんですよ。

ハマ

『クローン・ウォーズ』のシーズン1の1話目は、ヨーダが主役ですからね。しかし、そうやって見ている間に、突然重要な話が始まるから見逃せなくなってくる。

市川

単発の話を観ているうち、いきなり物語全体に関わる、複数話から成る物語が入ってくる。漫画原作じゃないけど、日本のアニメ寄りっぽいんですよね。

ハマ

気が付いたら、話の本筋に入っていて。そんな『クローン・ウォーズ』の展開を踏んでおけば、後のスピンオフを観る時に免疫になるんですよね。見方がわかるというか。

市川

『クローン・ウォーズ』で、お好きなキャラクターは?

ハマ

いっぱい出てきますから、難しいな(笑)。実は『エピソード3/シスの復讐』に出てくるグリーヴァス将軍など、映画には一瞬だけ登場するだけですが、『クローン・ウォーズ』では丁寧に描かれていて。分離主義側ですが、実は立派な軍人だったという。

市川

そういう意味では、あのダース・モールとか魅力的ですよね。こんなにも印象が変わるとは。

ハマ

楽しそうなモールとか(笑)。生き生きしていますよね。

市川

モールだって被害者ですよ。子供の頃、右も左もわからないうちに、シスの道を歩まされて。彼は対話もできるし、もう少しだけ共和国側へ取り込んでいたら、いろいろ倒せたんじゃないかな?とか妄想しましたね。

ハマ

中間管理職的な立ち位置だったりして。あんなに話ができるシスもいません。

市川

利益になることなら、意外と耳を貸しますよね。

ハマ

『クローン・ウォーズ』は、モールのためのシリーズという側面もあると思う。

市川

マンダロア包囲戦では、マンダロリアンもモールを模した角をつけて。なんか、よかったなぁとか思いますよ。

ハマ

ちょっと報われますよね。映画の中でも、モールの扱いが一番丁寧でしたよね。『クローン・ウォーズ』では、映画シリーズでは不評だったジャー・ジャー・ビンクスも活躍しますね。

市川

わたしは大嫌いです……。

ハマ

ホントにー(笑)!?

市川

喋り方や空気を読まない性格など、とにかく気に食わなくて。公開当時も、ファンの人と一丸となって、めちゃくちゃ叩いていました(笑)。でも、『クローン・ウォーズ』を観ると……うーん、好きとは言えないけど、「まぁ、おもしろいな」と思えるくらいになりましたけど。

ハマ

僕は当時から大好きだったんですよ。

市川

あと、パドメ・アミダラ女王も、映画の中ではつまらないというか、平面的なキャラクターに感じたけど、『クローン・ウォーズ』では、彼女なりに戦っていたことがわかります。意外とアソーカ・タノと仲が良かったりして。

ついに実写で登場したアソーカ・タノ、その道のり

『クローン・ウォーズ』で登場したアソーカ
『クローン・ウォーズ』で登場したアソーカ。
(C)2023 Lucasfilm Ltd.

市川

アソーカも『クローン・ウォーズ』から生まれた人気キャラクターです。アナキン・スカイウォーカーのパダワン(弟子)で、とにかく生意気で、やんちゃなキャラクター。

ハマ

『マンダロリアン』のシーズン2で実写初登場した時は、本当に衝撃的でしたね。

市川

わかります!ちょっと怖かった。特徴的な頭部の形状も描かれていて。「こういう感じなんだ!ちゃんと肌っぽい」と驚きましたね。結構、硬いのかな?

ハマ

そして、想像していたより大きい(笑)。『アソーカ』の劇中で、まだ幼いパダワン期を描いたじゃないですか。あれは圧巻でしたね。

市川

とにかく、すごいクオリティでしたね。『クローン・ウォーズ』で離れ離れになった、アナキンへの想いが強くて。とにかく『クローン・ウォーズ』や『アソーカ』を観ると、映画では描かれなかったアナキンの違った側面もわかる。

ハマ

そうそう。『エピソード2/クローンの攻撃』あたりから、屈折した若者という感じが強く描かれていますが、実はアソーカのマスターとしては、非常に優しく、柔軟なジェダイだったことがわかる。そう考えると、デイヴ・フィローニが作り上げたスピンオフ作品は、世界で一番有名な二次創作という感じがします。

市川

本当にオフィシャル同人作ですよ(笑)。または『機動戦士ガンダムUC』か。